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住宅ローンの収入合算とは?住宅ローンを収入合算で申し込む場合のメリット・デメリットと注意点を解説
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本ページは、2018年4月7日に公開した情報を2019年10月12日に大幅に加筆・修正したものとなりますが、本ページでは、主に、夫婦共働きの世帯や親子が、それぞれの収入を合わせて住宅ローンを借り入れする「収入合算」について、メリットおよびデメリットや注意点を中心に独立系ファイナンシャルプランナー(FP)がポイントの解説をわかりやすく紹介していきます。

はじめに、本ページを加筆・修正した令和元年10月現在において、夫婦共働き世帯が専業主婦世帯よりも多くなっていることに加え、消費税の増税開始や給料などの収入増加が大きく期待できない状態が続いており、この状態は、将来も引き続き継続していくのではないかと予測されます。

この時、夫婦共働き世帯をはじめとした夢のマイホームを持ちたい方々にとってみますと、住宅ローンの審査に通過するのも大きなハードルの1つになることが考えられますが、本ページでは、活用の仕方しだいで住宅ローンの審査に通過しやすくなり、かつ、将来的に家計のお金にも影響を与える住宅ローンの収入合算について、メリットおよびデメリットや注意点を中心にポイントの解説をわかりやすく紹介します。

目次

住宅ローンの収入合算とは

住宅ローンの収入合算とは、たとえば、共働きの夫婦や親子が、それぞれの収入を合わせて住宅ローンの審査を受けることを言います。

住宅ローンを収入合算で申し込むということは、単純に2人の収入を合わせて住宅ローンの審査をすることになるため、たとえば、夫のみの収入では希望の住宅ローンが借り入れできない場合をはじめ、より確実に住宅ローンの審査に通過したい場合、共働きの夫婦や親子などが、それぞれ住宅ローン控除の適用を受けて、納めるべき税金を少なくしたい場合など、様々なメリットが得られます。

その一方で、住宅ローンの収入合算は、必ずできるとは限らないことをはじめ、収入合算をすることができる人が限られている、住宅ローンの収入合算をした本人または相手が、病気や失業などになった場合に毎月の返済が重くなるなど、デメリットもあることは確かです。

次項からは、これらのメリットやデメリットのほか、住宅ローンを収入合算で申し込む上でのポイントや注意点について、順を追って、詳しく解説を進めていきます。

住宅ローンの収入合算をすることができる人とは

住宅ローンの収入合算をするには、ご自身と相手が収入合算できる人であるかどうかを確認しておく必要があります。

具体的に、住宅ローンの収入合算をすることができる人とは、原則として、住宅ローンを利用して購入する住宅に住む配偶者、両親、祖父母、子供、孫となっており、これらの人から1名のみが収入合算をすることができる人となります。

わかりやすい例ですと、共働きの夫婦や二世帯住宅を建てることによって、本人と父親が収入合算するなどの場合は、それぞれの収入を合算して住宅ローンの審査を受けることができます。

ただし、実務上、金融機関によって住宅ローンの収入合算をすることができる人というのは、それぞれ異なっており、以下、楽天銀行の住宅ローンを収入合算で借り入れする場合について一例としてポイントを紹介します。

楽天銀行でフラット35を収入合算で借り入れする場合の条件

1.お申込ご本人の直系親族、配偶者(婚約者または内縁関係にあるかたを含みます)のかた

2.お申込時の年齢が満70歳未満のかた

3.お申込ご本人と同居されるかた

4.連帯債務者となるかた(1名のみとなります)

出典 楽天銀行 (住宅ローン)“収入合算”とは何ですか?より引用

仮に、楽天銀行で長期固定金利の住宅ローンであるフラット35を収入合算で借り入れする場合、上記4つの条件をすべて満たしている必要があります。

ポイントは、住宅ローンの申し込みをする時の年齢が満70歳未満といった年齢制限があることに加え、収入合算をする相手が連帯債務者となるため、いわば、住宅ローンを借り入れする本人(主債務者と言います)だけでなく、収入合算者も毎月の住宅ローンを滞ることなく返済することができる「資力」がなければならないことを意味します。

つまり、収入合算をする相手が、無職、専業主婦(夫)、低収入、パート勤務を始めて間もない(勤続年数の実績が短い)などの場合、住宅ローンの収入合算を申し込みした金融機関から断られてしまう可能性が大きくなってしまう懸念があることをあらかじめ知っておく必要があります。

楽天銀行で変動金利(固定特約付き)の住宅ローンを収入合算で借り入れする場合の条件

1.お申込ご本人の配偶者のかたのみ

2.お借入時年齢65歳6ヶ月未満で、完済時年齢が満80歳未満のかた

3.お申込ご本人と同居されるかた

4.連帯債務者となるかた(1名のみとなります)

※変動金利(固定特約付き)は、親子リレー返済のご利用はいただけません。
※変動金利(固定特約付き)は、セカンドハウスのご利用はいただけません。

出典 楽天銀行 (住宅ローン)“収入合算”とは何ですか?より引用

今度は、楽天銀行で変動金利(固定特約付き)の住宅ローンを収入合算で借り入れする場合の条件となりますが、こちらも上記4つの条件をすべて満たしている必要があります。

ただし、先に紹介したフラット35を収入合算で申し込む場合と比べると、収入合算をすることができる人が、配偶者に限られており、かつ、年齢制限も異なっていることがわかります。

このように、住宅ローンを収入合算する上において、金融機関や住宅ローンの種類によって収入合算の条件が異なるため、仮に、これから住宅ローンの申し込みを収入合算で行う予定がある方は、希望の金融機関で収入合算ができる条件を必ず確認しておくことが極めて重要です。

住宅ローンを収入合算で申し込む場合のメリットとは

住宅ローンの収入合算についての概要と収入合算をすることができる人についてポイントを解説しましたが、ここでは、住宅ローンを収入合算で申し込む場合に得られる主なメリットについて、それぞれ個別に解説を進めていきます。

住宅ローンを収入合算で申し込みすることで、住宅ローンの審査に通過しやすくなる可能性が高くなる

住宅ローンを収入合算で申し込みをすることで、単独で住宅ローンを申し込みする場合に比べて住宅ローンの審査に通過しやすくなる可能性が高くなります。

この理由は、住宅ローンの審査項目である「年収」が収入合算した金額で審査されることになるほか、「返済負担率」が、希望の借入金額に対して負担割合が低くなる好影響を与えることになるためです。

これは、住宅ローンの申し込みを受けた金融機関側としては、住宅ローンが完済されるまでの長期間に渡って、住宅ローンの返済が滞るリスクを小さく抑えられることにもつながるため、いわば、住宅ローンの申込者(私たち)と住宅ローンを融資する金融機関側の双方にとってメリットが享受できることになるとも考えられます。

なお、住宅ローンの審査項目には、年収や返済負担率だけではなく、様々な項目があり、住宅ローンを収入合算して申し込む上で、事前の審査対策も大切です。

以下、参考情報として、当事務所が公開している住宅ローンの審査項目にかかる記事がありますので、本ページと合わせて読み進めていただくのも良いでしょう。

住宅ローンの審査は何を審査される?審査項目と審査に通過するための対策ポイントをわかりやすく紹介

住宅ローンを収入合算で申し込みすることで、希望の借入金額を融資してもらえる可能性が高くなる

住宅ローンを収入合算で申し込みをすることで、単独で住宅ローンを申し込みする場合に比べて希望の借入金額を融資してもらえる可能性が高くなります。

こちらも先の理由と同じように、住宅ローンの審査項目である「年収」が収入合算した金額で審査されることになるほか、「返済負担率」が、希望の借入金額に対して負担割合が低くなる好影響を与えることになるため、結果として、希望の借入金額を融資してもらえる可能性が高くなるといった考え方で差し支えありません。

住宅ローンを収入合算で申し込みすることで、本人と収入合算者の双方が住宅ローン控除を受けられる

住宅ローンを収入合算で申し込みしますと、本人と収入合算者の双方が住宅ローン控除の適用を受けられるメリットがあります。

ただし、住宅ローン控除の適用を受けるためには、適用要件を満たしていることが必要であり、一例として、住宅ローン控除の適用を受ける初年度は確定申告をすること、合計所得金額が3,000万円以下であること、購入した住宅の延床面積が50㎡以上であること、住宅ローンの返済期間が10年以上であることなど、実に様々な要件があり、それらの要件をすべて満たしている必要があります。

ざっくり言ってしまいますと、住宅ローン控除の適用要件を満たすハードルは極めて低いため、決して難しく考える必要はありませんが、住宅ローンを収入合算で申し込みする前は、不動産業者をはじめ、金融機関や当事務所のような独立系ファイナンシャルプランナー(FP)、住宅ローンアドバイザーなどに対して、あらかじめ住宅ローン控除の適用が受けられるかどうかについて、必ず確認しておくことをおすすめします。

また、こちらは余談となりますが、住宅ローン控除の適用のほかにも、国土交通省が実施している「すまい給付金」も住宅購入の助成として支給要件を満たすことでお金をもらうことができるため、こちらについても合わせて確認しておくことが望ましいでしょう。

すまい給付金の重要ポイントまとめ。住宅購入予定の方が押さえておくべきポイント

住宅ローンを収入合算で申し込む場合のデメリットとは

住宅ローンを収入合算で申し込むことによって得られるメリットは大きいことがご理解できたと思いますが、ここでは、住宅ローンを収入合算で申し込む場合の主なデメリットについて解説を進めます。

住宅ローンの収入合算は、申し込みをしたからといって必ずできるとは限らない

住宅ローンの収入合算をするためには、すでに解説をしましたように、それぞれの金融機関が定めている住宅ローンの収入合算をするための条件を満たしていることが必要です。

しかしながら、住宅ローンの収入合算をするための条件をすべて満たしているからといって必ず収入合算ができるとは限らず、あくまでも、住宅ローンの申し込みを受けた金融機関の審査結果に準じることになります。

ちなみに、収入合算をする相手が、無職、専業主婦(夫)、パート勤務を始めて間もない(勤続年数の実績が短い)などの場合、住宅ローンの連帯債務者としての資力があるとは到底判断することができないため、かなりの確率で収入合算の申し込みが断られるのではないかと予測できます。

また、本人および収入合算者に、大きな借金がある場合や過去に借金やクレジットカード代金などの支払遅延があった場合など、いわゆる個人信用情報に金融事故歴がある場合や信用に欠ける履歴が見受けられた場合、こちらも住宅ローンの収入合算をすることができない大きな要因になります。

特に、個人信用情報に金融事故歴がある場合は、「一発アウト」となり、どの金融機関で住宅ローンを申し込んだとしても、多重債務防止などの法的観点から絶対に住宅ローンの審査に通過することはありません。

そのため、住宅ローンの収入合算以前の問題として、まずは、本人および収入合算者の個人信用情報に問題がないかどうかを最初に確認しておくことが、住宅ローンの申し込みを検討する前における「はじめの一歩」と言えます。

なお、個人信用情報については、以下、当事務所が公開している記事から内容を詳しく確認することができます。

ローンの申し込みをする前に確認しなければならない個人信用情報とは?理由とポイントを詳しく紹介

住宅ローンの審査が絶対に通らない理由とは?よく聞くブラックリストが大きなポイント

住宅ローンの収入合算をした本人または相手が、病気や失業などになった場合、毎月の返済が重くなる

住宅ローンを申し込む金融機関や住宅ローンの種類にもよりますが、一般に、住宅ローンを収入合算で借り入れした場合で、本人や収入合算者が死亡や高度障害になってしまった場合、団体信用生命保険の保険金と住宅ローンの残債務が相殺されることになります。

しかしながら、病気や失業などで、これまでの収入が得られないような不測の事態や減俸などによって収入が減少した場合、毎月の住宅ローンの返済が重くなってしまう懸念が生じます。

仮に、住宅ローンの申し込みで、夏季や冬季のボーナス払いも併用することにした場合、さらに、苦しい住宅ローンの返済を強いられることも十分予測できるため、これらの不測の事態が起こった場合であったとしても、家計状況が極度に揺らいでしまうような住宅ローンの申し込みは避ける必要があります。

住宅ローンを収入合算で申し込む場合に、あらかじめ知っておきたい注意点とは

住宅ローンを収入合算で申し込む主なメリットとデメリットを紹介しましたが、ここでは、できる限り収入合算のデメリットを小さくし、メリットを大きくするためにあらかじめ知っておきたい注意点について紹介します。

なお、以下、紹介する内容は、住宅ローンを収入合算で申し込むすべての方にあてはまることとは言い切れませんが、将来のことも視野に入れながら参考情報として読み進めていただければと思います。

産休・出産・育休による世帯の収入減に備えられるお金を残しておく

夫婦共働きの方で、これから住宅ローンを収入合算で申し込みをする予定がある場合、将来の子供の誕生による収入減に備えられるお金を残しておくことをおすすめします。

たとえば、配偶者である妻が妊娠し、産休・出産・育休・復職といった過程を経たとしますと、産休から復職までの期間において勤務先から給与の支払いがなされないことが一般的です。

また、産休が明けた後は、健康保険から「出産手当金」が支給され、出産時は、「出産育児一時金」、育休中は、「育児休業給付金」といったお金が支給要件を満たすことでそれぞれ支給されることもあるものの、実際にお金が支給されるまでに2ヶ月程度の期間が空いてしまうこともあるため、その間における世帯収入の減少に備えられるお金を残しておくことが望ましいと言えます。

なお、これらのお金は、すべての女性が支給されるわけではなく、あくまでも、それぞれ支給要件を満たしていることが求められるため、この点には注意が必要です。

出産手当金をもらうことができる人とは?支給条件から計算方法や金額まで気になる疑問をまとめて解決

出産育児一時金とは?支給申請・金額・還付まで疑問を解決!出産祝い金についても紹介します

産休前・産休中や育休中は、住宅ローンの収入合算をすることができない可能性が高くなる

夫婦共働き世帯が、住宅ローンの収入合算を申し込みする時点において、配偶者である妻が産休前・産休中や育休中である場合、多くの金融機関では、収入合算を認めていないケースが多くなっています。

特に、産休前や産休中は、育児休業を終えた後に復職する意思があったとしても、あくまでも先の話であり、復職が確実なものとは言い切れません。

そのため、多くの金融機関では、このような状態で収入合算を申し込まれたとしても、断るケースが極めて多くなっています。

また、場合によっては、団体信用生命保険に加入することができないこともあり、いずれにしましても、産休前・産休中・育休中に住宅ローンの収入合算を申し込むことによって、何かしらの不利益を被ってしまう可能性があることをあらかじめ理解しておく必要があります。

はっきりと申し上げて、育休を終えて、妻が復職してから住宅ローンを収入合算で申し込むのが丸く収まりますし、不利益を被る可能性がほとんどないため、まずは、焦らず、これらの期間は、将来の住宅ローンに向けての資金計画やライフプランを話し合いながら決めておくのが無難なのではないかと筆者は考えます。

親子で住宅ローンを収入合算する場合は、相続の発生も視野に入れておく

親子で住宅ローンを収入合算する場合、親の老後や相続の発生をしてしまった場合も視野に入れた資金計画を立てておくことが望ましいと考えられます。

特に、親子で住宅ローンを収入合算する場合、収入合算した方法も大きく関係し、たとえば、親子でペアローンを活用した場合、親子で連帯債務を活用した場合、親子でリレーローンを活用した場合、収入合算かつ連帯保証にした場合などによって、団体信用生命保険の加入状況や相続によって住宅ローン債務を引き継ぐ必要があるのか、ないのかなども変わることになります。

加えて、親と収入合算をした本人以外にも法定相続人がいる場合、親が所有権を有している住宅の一部分は、相続財産になるため、遺産分割をする時や住宅ローンの債務の引き継ぎの有無など、時として相続が発生することによって、相続人同士がもめてしまう懸念が生じても何ら不思議なことではありません。

そのため、このような不測の事態もあらかじめ視野に入れた上で、住宅ローンの収入合算について考えておくことが望ましいと言えるわけです。

おわりに

住宅ローンの収入合算とはどのようなものなのかをはじめ、住宅ローンの収入合算をすることによって生じるメリットやデメリットについても紹介させていただきました。

住宅ローンの返済は、家計の支出の中で最も多くの支出割合を占めることが一般的であるため、住宅ローンの資金計画や返済計画をはじめ、住宅ローン控除やすまい給付金といった制度も加味した上で、世帯にとって最も望ましくなるような方法を確実に模索しておくことが大切です。

なお、こちらは筆者個人の主観となるのですが、お客様の中には、住宅ローンの審査に通過することにのみ目がいってしまい、将来に必要な子供の教育資金やご自身の老後資金まで考えられる余裕がない方も実際に見られ、住宅ローンの審査通過と夢のマイホームを購入することがゴールではないことをこれから住宅ローンを収入合算で申し込むユーザーの皆さまには強くお伝えしたいと思っています。

また、金融機関に対して申し込んだ住宅ローンの借入条件では、先々厳しくなるといったアドバイスをしても、目の前の夢のマイホームを購入したい欲求が強くなってしまい、聞く耳を持たれないお客様もおられることを踏まえますと、いかに冷静に先々のことを考えられる人とそうではない人の将来は、言うまでもなく大きく左右してしまうものと思われます。

収入に見合った住宅ローンを組むことがとても重要であり、どうしても希望の住宅を購入したいのであれば、無理に住宅ローンを申し込むのではなく、どのようにしたら、無理なく希望の住宅を購入することができるのか考えられる余裕を持っていただきたいものと筆者は強く感じています。


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