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出産育児一時金とは?支給申請・金額・還付まで疑問を解決!出産祝い金についても紹介します

出産した時に利用できるお金の制度には、出産育児一時金や出産手当金をはじめ、さまざまな制度が確立されています。

ただし、これらの制度は、すべての出産した女性が必ず受けられるものではなく、制度の利用条件を満たしていることが必要になります。

中には、税金の軽減を受けるために活用される医療費控除のように、制度が利用できるか、できないかを判定し、ご自身で申告しなければならないものもあるため、出産した時に利用できるお金の制度を幅広く知っておくことはとても大切です。

そこで本記事では、出産した時に利用できるお金の制度として、出産育児一時金と出産祝い金を中心にポイントを紹介していきます。

出産育児一時金(家族出産育児一時金)

出産育児一時金とは、子供を出産した場合に支給されるお金のことをいい、健康保険や国民健康保険などといった、加入している公的保険の種類を問われることはありません。

なお、家族出産育児一時金は、出産した家族に対して支給されるお金になりますが、出産育児一時金も家族出産育児一時金も制度の名称が異なるだけで支給内容は同じです。(以下、本記事では出産育児一時金として説明をしていきます)

出産育児一時金=本人が出産した場合に支給されるお金

家族出産育児一時金=家族などが出産した場合に支給されるお金

出産育児一時金の金額

出産育児一時金の金額は、子供1人につき42万円が支給され、多胎妊娠(双子など)の場合は、出生した人数分の出産育児一時金が支給されます。

なお、産科医療補償制度に加入していない医療機関などで出産した場合は、平成27年1月1日以降の出産で40.4万円となっています。(協会けんぽの場合)

産科医療補償制度とは

産科医療補償制度とは、医療機関などが加入する制度のことで、出産した際に、万が一、分娩時の何らかの理由により重度の脳性まひとなった場合に、その子どもと家族の経済的負担を補償するためのものです。

妊娠した女性の皆さまは、出産する医療機関を選ぶ際に評判やその他の理由で探すことと思いますが、産科医療補償制度の加入につきましても、出産予定の医療機関が、同制度に加入しているのかどうかについて確認しておくことが望ましいでしょう。

出産育児一時金の支給申請方法

出産育児一時金は、通常、公的保険の保険者から出産した医療機関に対して直接支払うことになるため、申請手続きというものはありません。(出産する医療機関で必要書類に署名・捺印は必要になります)

なお、公的保険の保険者とは、健康保険組合、協会けんぽ、市区町村のことを指しており、ご自身が加入している健康保険や国民健康保険によって保険者が異なります。

以下、参考情報として、協会けんぽのWEBサイトから出産育児一時金に対する、直接支払制度と受取代理制度について紹介しておきます。

出産にかかる費用に出産育児一時金を充てることができるよう、協会けんぽから出産育児一時金を医療機関等に直接支払う仕組み(直接支払制度)がありますので、その場合、出産費用としてまとまった額を事前にご用意いただく必要はありません。

直接支払制度では、事務的負担や資金繰りへの影響が大きいと考えられる施設(年間の分娩件数が100件以下または収入に占める正常分娩にかかる収入の割合が50%以上で、厚生労働省へ届け出た診療所・助産所)については、医療機関等が被保険者に代わって出産育児一時金を受け取る「受取代理」制度を利用することができます。

出典 協会けんぽ 出産育児一時金の支給方法(直接支払制度・受取代理制度)より引用

出産費用にかかる自己負担分の備えについて

出産育児一時金は、前項で紹介したような制度があることから、まとまったお金を用意しておく必要や出産にかかる費用について極度に心配する必要はありません。

ただし、出産にあたり、出産育児一時金の金額を超えた場合、その超えた分のお金は自己負担(保険対象外)になりますので、いくらかまとまったお金を用意しておくことが望ましいのは確かです。

なお、出産費用が支払えない場合や生活保護を受けている場合など、出産にかかるお金について心配な方は、出産費貸付制度やその他の制度がありますので、加入している公的保険の保険者に尋ねてみることをおすすめします。

出産費用が安く済んだ場合は、差額が還付される

出産育児一時金の金額は、産科医療補償制度に加入している医療機関で出産した場合、子供1人につき42万円が支給されることをお伝えしましたが、実際にかかった出産費用が、出産育児一時金よりも安く済む場合もあります。

このような場合は、所定の手続きを行うことで差額が後日還付されることになります。

たとえば、出産費用が39万円かかった場合、42万円から39万円を差し引いた3万円が、後日、還付されるといったイメージです。

差額を支給申請するためには

出産費用が安く済んだ場合で差額の還付を受けられる場合、通常、出産後(約3ヶ月後)にあらかじめ申請内容を印字した申請書が届くことになります。

ただし、あらかじめ保険者に連絡して、出産育児一時金の差額について還付を受けるためにはどのようにしたら良いのか問い合わせて指示に従うのが確実で望ましいでしょう。

なお、申請書を提出する際に添付する必要書類がありますので、そちらの確認と準備を忘れないようにしたいものです。

医療機関等から交付される出産費用の領収・明細書の写し

医療機関等から交付される直接支払制度に係る代理契約に関する文書の写し

医師・助産師の証明または市区町村の証明

上記3つの必要書類があれば、出産育児一時金の差額申請が可能です。

なお、仮に、医師・助産師の証明または市区町村の証明が受けられない場合は、以下の書類の内、いずれか1つを添付することで足ります。

戸籍謄(抄)本

戸籍記載事項証明書

登録原票記載事項証明書

出生届受理証明書

母子健康手帳

住民票

参考 健康保険出産育児一時金内払金支払依頼書・差額申請書

出産育児一時金が支給される例外パターン

出産育児一時金は、子供を出産した場合に支給されるお金のことをいいますが、実のところ、出産育児一時金が支給されるためには、子供を出産した場合のほかに例外があります。

妊娠4ヶ月(85日以上)で、流産や死産した場合

妊娠4ヶ月(85日以上)で、母体保護法で定められた人工妊娠中絶をした場合

上記のような場合は、出産育児一時金が支給される例外パターンになります。

こちらは筆者個人の主観なのですが、出産育児一時金が支給される例外パターンは、当人にとってはとてもデリケートな問題です。

そのため、こちらの例外パターンにかかる内容は、父親になる方、母親になる方の双方で、あらかじめ情報を共有しておくことを強くおすすめします。

出産祝い金

出産祝い金は、子供が誕生することによって、出産した人を対象に現金や地域で利用できる商品券をはじめ、出産祝いにかかる品物を贈呈する制度のことをいいます。

実のところ、出産祝い金は、出産育児一時金のように出産したすべての方が対象なのではなく、お住いの市区町村によって内容が異なる特徴があります。

合わせて、出産する以前から市区町村に住んでいるなどの一定の条件を設けている場合もあることから、ご自身が住んでいる市区町村ではどのような取り扱いなのか確認してみるのも良いでしょう。

おわりに

出産育児一時金や出産祝い金のように、出産をすることによって得られるお金や利用できる制度はさまざまあります。

たとえば、産前産後休暇中に支給される出産手当金や子供を授かりたくても中々授からない方のための特定不妊治療助成金、育児や保育にかかる制度など、これらを広く多く知り、利用することができれば、家計に良い影響を与えることは確かです。

当事務所では引き続き出産や妊娠にかかる情報を少しずつ配信していきたいと考えておりますが、お住いの市区町村をはじめとして利用できる制度にはどのようなものがあるのか調べてみることも大切です。

また、できることならば、出産する母親だけではなく、父親になる方も含めて情報共有しておくことによって、家庭環境や子育ての環境が良い方向へ進んでいくものだと筆者は感じています。

なお、こちらは余談となりますが、出産した年は、医療費が多くなってしまうことが予測され、場合によっては、医療費控除の適用が可能な場合もあります。

そのため、家計のお金や節税対策の一環として、以下、記事も合わせて読み進めてもらうのも良いと思います。

医療費のお知らせを活用して医療費控除を適用する場合の注意点とは?実例からポイントをわかりやすく紹介

出産手当金をもらうことができる人とは?支給条件から計算方法や金額まで気になる疑問をまとめて解決


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