トップページ > 住宅 > 住宅ローンのよくある疑問に専門家FPが答えてみました
住宅ローンのよくある疑問に専門家FPが答えてみました

住宅購入や住宅ローンをこれから検討されている方々からすると、さまざまな疑問や不安を抱いている場合が多く見受けられます。

しかし、これは誰にでもある当然のことであり、何十年という長期間に渡って数千万円という巨額な借金を負うわけですから、むしろ平然といられる方が普通ではないような気も致します。

このようなことを踏まえまして本記事では、専門家FPである筆者が実際に住宅ローンや住宅購入相談において比較的多くの方が抱いていると感じたものを、いくつかピックアップして紹介し、併せてそれらを解決するための簡単なアドバイスについても紹介していきたいと思います。

あくまでも世帯状況を詳しく精査しなければ適切なアドバイスができないことやそれぞれの専門家FPによって考え方は異なる点をご留意いただきまして、参考としてお役立てください。

Q1.収入が低くても住宅ローンは組めるのですか?

0d3b05f988b72b59544978baa6057c51_s

A.一概に収入がいくらなのかによって判断は分かれるところではありますが、金融機関の中には年収が400万円というのを1つの目安としているところもあります。

これは住宅ローンを融資する金融機関等によってそれぞれ異なると考えられることから、直接確認することが望ましいと思われますが、住宅ローンは年収だけに限らず、住宅ローンの完済時年齢や健康状態といった収入以外の点も総合的に判断され融資されるものであることを踏まえますと、幅広い分野で確認していく必要があります。

また、仮に自分だけの収入で住宅ローンの融資が通らなかったとしても、配偶者の収入を合わせた「世帯合算(夫婦合算)」をすることで住宅ローンに通る場合が多々あり、夫婦共働きの世帯にとってはとても馴染み深い住宅ローンの借り方といっても過言ではないでしょう。

Q2.変動金利と固定金利ってどちらがよいのですか?

490272a38f247f5b87fb23224e0c081d_s

A.定番の質問の1つといってよいと個人的にいつも感じておりますが、変動金利と固定金利の選択判断は、相談者様のご希望と収支状況に合わせて私はご提案させていただいております。

一概に金利が低いから変動金利がよいといえれば、とても楽だなといつも思うのですが、なかなかそうはいかないのが現実です。

一般に変動金利は、金利が低いものの、半年に1回金利が見直されるいった特徴があることから、仮に35年で住宅ローンを組んだとすると、極端な例ではありますが、トータルして69回の金利上昇が場合によってあり得るということになります。

専門家や金融機関に勤めている融資担当者によって考え方は二分するところではありますが、変動金利は、金利上昇リスクに耐えることのできる余裕がある方向けの金利といわれ、表面上の低金利だけで選択するのではなく、変動リスクの内容をよく理解した上で選択する必要性があります。

一方で、固定金利は変動金利に比べて金利は高いものの、金利が上下変動しないため住宅ローンの返済計画が立てやすいといったメリットがあります。

よく聞く、フラット35は、長期固定金利の代表的な住宅ローンであり、35年間の長期に渡って金利が確定していることから、完済までの返済金額が確定するといったメリットが得られ、精神的に安心できる住宅ローンとして有名です。

Q3.元利均等返済と元金均等返済の違いって何ですか?

afb98a5674969ec3cca40e22a9a776c5_s

A.こちらも定番の質問の1つで、元利均等返済と元金均等返済をの違いを解説するには、以下の表を見比べてもらうのが手っ取り早いといつも感じております。

%e7%84%a1%e9%a1%8c

元利均等返済は、上記表のように「元金」と「利息」を足した金額が「常に均等」である返済方法のことをいい、元金均等返済とは、毎月返済する「元金」が「常に均等」である返済方法のことをいいます。

12月の住宅ローン残高を比較しますと、元金均等返済の方が元利均等返済よりも少なくなっていることがわかりますが、月々の返済を常に一定にしたいと希望されている場合は、元利均等返済の方が元金均等返済よりも向きであるといえるでしょう。

なお、35年間の総返済金額は、元金均等返済の方が元利均等返済よりも少なくなりますが、自分たちにとって余裕のある返済方法はどちらなのかを検討し選択することが大切だといえます。

Q4.私はいくら貸してもらえるのですか?

1ef6614817b6e7dd20f3b6af80982fc7_s

A.当事務所では「私はいくら貸してもらえるのですか?」といった質問に一切お答えしておりません。

その理由は、住宅ローンは自分が借りられる金額を借りるのではなく、自分が返していける金額を借りる必要があるためと考えているためです。

そして、住宅ローンの返済を考えるためには、「可処分所得」といった、いわゆる「手取額」をベースに返済計画を立てていかなければなりません。

以下は、平成27年3月19日に当方が新聞社より取材を受けた「賢い家づくり」の記事を掲載しており、ここで可処分所得を考えた家づくりについて述べさせていただいております。

何年経過しようとも可処分所得を考慮した住宅購入の考え方が否定されることはありませんので、ぜひ、参考にしてみてください。

 

平成27年3月19日 賢い家づくり

 

住宅購入・住宅ローンだけでなく、自分たちのライフプランを考える時は、可処分所得を基準にお金を考えることが大前提であることから、これから住宅購入・住宅ローンを検討している人は、いくらまでなら返済していけそうなのかといった考え方を持つことが大切です。

まとめ

fcbc6c6c7c041661e8a58aad8f178176_s

私自身の実務を通じて特に多い疑問についてピックアップして紹介させていただきましたが、住宅購入や住宅ローンを検討するには、本記事で紹介したもののほかに、住宅購入にかかる諸費用やランニングコストと呼ばれる、住宅購入をした後にかかる費用についても考えていかなくてはなりません。

ざっくりいってしまえば、これらを別に考えなくとも度胸と印鑑さえあれば住宅購入なんて可能ではありますが、終の棲家として考える家づくりや子どもたちの将来を考える家づくりを希望しているのであれば、細かな部分をしっかりと解決していく努力が必要だと私は思います。

各々の人の性格や考え方が顕著に表れる住宅購入だけに、どうのこうのいうつもりは一切ございませんが、自分たちが納得できる賢い家づくりを実現していきたいものですね。


スポンサーリンク
スポンサーリンク