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年末調整で無職の人または無職だった人と同居している人が知っておくべきポイントは?社会保険料控除や社会保険のポイントも解説
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本ページでは、年末調整で無職の人または無職だった人と同居している人が知っておくべきポイントとは、どのようなところにあるのかについて、社会保険料控除や社会保険のポイントも合わせて独立系ファイナンシャルプランナー(FP)が解説をしていきます。

はじめに、年末調整は、会社員や公務員をはじめ、アルバイトやパートなどといった給与所得者の方が、1月1日から12月31日までの1年間における給与収入などを基に税金の精算手続きをすることを言います。

この時、仮に、現在、無職の人と同居をしている人や現在、無職の人が置かれている状況によっては、配偶者控除や扶養控除といった各種所得控除を適用することによって納めるべき税金を少なくさせられる可能性があります。

そこで本ページでは、年末調整で無職の人と同居している人または無職の人が知っておくべきポイントについて、わかりやすく解説を進めていきます。

年末調整で無職の人、または、無職だった人と同居している人が知っておくべきポイントとは?

年末調整で無職の人、または、無職だった人と同居している人が知っておくべきポイントは、本ページの冒頭でもお伝えしましたように、配偶者控除や扶養控除といった各種所得控除を適用することによって納めるべき税金を少なくさせられる可能性があるところにあります。

ただし、ここで言う「無職の人」を考える上で極めて重要なポイントがあり、一般的に考えられる無職のように、「現在、職に就かず働いていない」や「正社員ではなくフリーター」などのような考え方ではない点に注意が必要です。

具体的な大まかなイメージについて、次項でわかりやすく紹介していきます。

年末調整で所得控除の対象になる無職の違いとイメージ

たとえば、AさんとBさんの2人が、いずれも12月31日現在において、職に就いておらず、いわゆる一般的に考えられる無職で、かつ、同居をしているものとします。

仮に、Aさんは、1月1日から8月31日までの8ヶ月間は、正社員として勤務していたものの、一身上の都合によって退職し、この間、年間の給与収入が240万円だったとします。(1年間の収入は、給与収入のみとします)

一方、Bさんは、1月1日から8月31日までの8ヶ月間は、アルバイトとして勤務していたものの、一身上の都合によって退職し、この間、年間の給与収入が80万円だったとします。(1年間の収入は、給与収入のみとします)

この時、年末調整で所得控除の対象になるAさんとBさんの違いは、以下の通りです。

Aさん:配偶者控除や扶養控除など、所得控除の対象にはならない

Bさん:配偶者控除や扶養控除など、所得控除の対象になる

AさんもBさんも12月31日現在において、職に就いておらず、いわゆる一般的に考えられる無職であるのにも関わらず、なぜ、このような違いが生じるのでしょう?

所得控除の対象になるかどうかは、1年間の収入(所得)によって決まる

実のところ、配偶者控除や扶養控除といった所得控除の対象になるかどうかは、対象になる人(設例の場合、AさんやBさん)の1年間の収入(所得)によって決まります。

つまり、正社員、アルバイト、自営業、臨時職員、フリーランス、無職などの職業や待遇ではなく、1月1日から12月31日までの1年間でいくらの収入があって、その結果、いくらの所得が生じたのか?といったことが関係するわけです。

加えて、年末調整をする人とAさんやBさんが、どのような関係にあるのかによっても、所得控除の対象となる種類が異なります。

年末調整をする人との関係性について

前項の設例では、Aさんは、配偶者控除や扶養控除などの所得控除の対象にはならず、Bさんは、配偶者控除や扶養控除などの所得控除の対象になることをお伝えしました。

重複しますが、この理由は、配偶者控除や扶養控除といった所得控除の対象になるかどうかは、対象になる人(設例の場合、AさんやBさん)の1年間の収入(所得)によって決まり、Aさんは、対象になる所得要件を満たしておらず、Bさんは、対象になる所得要件を満たしているからです。

この時、年末調整をする人とBさんとの関係が、配偶者なのか、子供なのか、両親や祖父母なのかなどによって、所得控除の対象となる種類が異なります。

年末調整をする人から見て、Bさんが配偶者の場合:配偶者控除または配偶者特別控除

年末調整をする人から見て、Bさんが子供や両親、祖父母などといった親族の場合:扶養控除

設例の場合、Bさんの年収は80万円ですから、仮に、年末調整をする人から見て、Bさんが配偶者にあたる場合、配偶者控除が適用でき、Bさんが子供や両親、祖父母などといった親族の場合、扶養控除が適用できるといったイメージになります。

なお、扶養控除の適用が受けられる場合であったとしても、Bさんの年齢によって、扶養控除で適用される所得控除の金額が異なることになるため、こちらについても気になる方は、以下、当事務所が公開している扶養控除の記事に一通り目通しいただくことをおすすめ致します。

年末調整や確定申告で適用できる扶養控除と節税ポイント

年末調整で無職の人、または、無職だった人と同居している人が知っておくべきポイントのまとめと注意点

年末調整で無職の人、または、無職だった人と同居している人が、配偶者控除や扶養控除などの適用を忘れないようにするための知っておくべきポイントを簡単な手順でまとめます。

1.無職の人、または、無職だった人の1月1日から12月31日までの1年間の収入はいくらだったのか確認する

2.1年間の収入が給与収入のみの場合、年間収入が103万円以下であるかどうかを確認する

3.1年間の収入が給与収入のほかにも別の収入がある場合、専門家である税理士・税務署・独立系ファイナンシャルプランナー(FP)などに尋ねて、配偶者控除や扶養控除などの適用が可能かどうか確定させる

上記1から3の手順で確認いただくことができれば、年末調整で配偶者控除や扶養控除などの適用を忘れないようにすることができると筆者は考えます。

なお、これまでの解説であげたBさん(給与年収80万円)を例として、上記1から3におけるそれぞれの注意点について、以下、ポイントの解説を進めていきます。

1.無職の人、または、無職だった人の1月1日から12月31日までの1年間の収入はいくらだったのか確認する

年末調整で無職の人、または、無職だった人と同居をしている人は、まずもって、1月1日から12月31日までの1年間の収入はいくらだったのか確認することが必要となります。

たとえば、設例のBさんは、1月1日から8月31日までの8ヶ月間は、年間の給与収入が80万円でしたが、仮に、10月から新たな勤務先でアルバイトをはじめ、そのまま12月31日まで勤務していたとします。

この時、Bさんの1年間の収入は、8月までの80万円に10月から12月までの3ヶ月間の給与を合算した収入として判定をしなければなりません。

そのため、無職の人や無職だった人を配偶者控除または扶養控除などで適用するには、1月1日から12月31日までの1年間の収入(所得)がいくらだったのか確実にしておく必要があるわけです。

ちなみに、たとえば、3月いっぱいで定年退職を迎え、10月からアルバイトとして新たな勤務先で働き始め、そのまま12月31日まで勤務していた両親がいたとしましょう。

このような場合も考え方は同じとなり、1月から3月までに支給を受けた給与収入と10月から12月までの3ヶ月間の給与収入を合算した収入として判定をする必要があります。

ただし、定年退職によって以前の勤務先から退職金が支払われた場合、退職金の金額(正確には退職所得)も加味した判定をする必要があるため、専門的、かつ、複雑になってしまうことに留意しておかなければなりません。

2.1年間の収入が給与収入のみの場合、年間収入が103万円以下であるかどうかを確認する

仮に、1年間の収入が給与収入のみの場合で、年間収入が103万円以下である場合、年末調整をする人は、Bさんを配偶者控除または扶養控除の対象として所得控除が受けられます。

ただし、設例のBさんが、年末調整をする人から見て、配偶者であったとし、年間の給与収入が130万円だったとしましょう。

この時、年末調整をする人は、Bさんを配偶者控除または扶養控除の対象として所得控除が受けられないことになりますが、配偶者特別控除の適用ができる可能性が極めて高くなります。

ここで、「配偶者特別控除の適用ができる可能性が高い」といった含みを持たせた解説にしている理由は、法改正によって、配偶者控除または配偶者特別控除の適用をする場合、これまでのように配偶者の年間収入に応じた所得だけで判定するのではなく、年末調整をする人(本人)の収入も考慮した上で適用の有無を判定しなければならなくなったためです。

そのため、特に、年間収入が高額な方の場合は、特に注意が必要と言えるポイントになりますが、以下、当事務所が公開している配偶者控除および配偶者特別控除の適用に関する記事がありますので、気になる方は、合わせて読み進めてみることをおすすめ致します。

年末調整や確定申告で適用できる配偶者控除および配偶者特別控除と節税ポイント

なお、設例のBさんが、配偶者以外で年間の給与収入が130万円だった場合、扶養控除の対象とはならず、すでに解説をした年末調整をする人との関係性によって、取り扱いが異なる点に注意が必要になると言えます。

3.1年間の収入が給与収入のほかにも別の収入がある場合、専門家である税理士・税務署・独立系ファイナンシャルプランナー(FP)などに尋ねて、配偶者控除や扶養控除などの適用が可能かどうか確定させる

ここまでは、1年間の収入が給与収入のみである場合について解説を進めてきましたが、仮に、1年間の収入が給与収入のほかにも別の収入がある場合、専門家である税理士・税務署・独立系ファイナンシャルプランナー(FP)などに尋ねて、配偶者控除や扶養控除などの適用が可能かどうか確定させることをおすすめ致します。

筆者は、独立系ファイナンシャルプランナー(FP)でありますから、本ページを読み進めているユーザーの皆さまの中には「事務所のPR(宣伝)?」と思ってしまう方もおられるでしょう。

しかしながら、実のところ、配偶者控除や扶養控除などの適用を判定するには、1年間における以下の所得がいくらなのかを見て判定する必要があります。

1.利子所得

2.配当所得

3.不動産所得

4.事業所得

5.給与所得

6.退職所得

7.山林所得

8.譲渡所得

9.一時所得

10.雑所得

出典 国税庁 No.1300 所得の区分のあらましより引用

所得税法では、収入の内容や、どのようにして得た収入だったのかなどによって、上記10個の所得に区分され、1年間で、それぞれの所得金額がいくらであったのかを確認した上で、配偶者控除や扶養控除の適用有無を判定します。

そのため、給与のみの場合ですと何ら難しいことはないのですが、給与以外の他の所得もある場合、それぞれの所得の計算方法が設けられているため、詳細を確認しておく必要があり、一筋縄ではいかないわけです。

現在、情報過多の時代であり、インターネットを通じてご自身で所得の判定をすることも可能ではありますが、誤った判定やご自身にとって不利な判定をすることで、かえって手間や時間がかかってしまう可能性も考慮しますと、筆者と致しましては、仮に、1年間の収入が給与収入のほかにも別の収入がある場合、専門家である税理士・税務署・独立系ファイナンシャルプランナー(FP)などに尋ねて、配偶者控除や扶養控除などの適用が可能かどうか確定させることをおすすめ致します。

国民健康保険や国民年金を支払ったことによる社会保険料控除の適用を忘れない

勤務先を退職して無職になりますと、これまで加入していた健康保険や厚生年金保険といった、いわゆる社会保険の加入資格を喪失することになります。

そのため、勤務先を退職して無職になった場合、国民健康保険に加入し、国民年金をご自身で納めることになるか、または、配偶者などの扶養者(被扶養者と言います)としての手続きが必要になります。

この時、無職の人または無職だった人が、国民健康保険や国民年金に加入し、1年間に支払ったこれらの金額は、社会保険料控除として年末調整や確定申告で所得控除が適用される対象となります。

重要なポイントとなりますが、この国民健康保険や国民年金の支払ったお金は、無職の本人のみが適用対象ではなく、家族が支払った場合でも社会保険料控除の適用対象となります。

つまり、無職だった人と同居をしている人が、無職の人が納めなければならない国民健康保険や国民年金のお金を支払った場合、社会保険料控除として、無職だった人と同居をしている人が年末調整や確定申告をすることによって適用することができるといった意味です。

家族が無職になった場合は、被扶養者の手続きを検討しよう

こちらは年末調整ではなく、社会保険のお話となりますが、家計のお金を考える上で、とても大切なポイントになるため大まかに触れておきます。

仮に、家族の誰かが無職になった場合で、会社員や公務員などのように社会保険に加入している他の家族がいる場合、まずは、被扶養者の手続きをすることができないか検討をしましょう。

この理由は、無職の人が国民健康保険や国民年金に加入することによって生じる家計負担を少なくさせられる可能性があるためです。

たとえば、夫婦共に会社員で、夫が退職し、一時的に無職だったとします。

この時、夫の年齢が60歳未満で、収入要件やその他の一定要件を満たしていれば、妻は夫を社会保険の被扶養者として手続きができ、この結果、夫は国民健康保険や国民年金を支払わなくて済む効果が得られます。

つまり、1つの世帯で無駄な公的保険や公的年金の負担が避けられることになるわけです。

また、無職になった家族がいる場合、健康保険の被扶養者としての手続きができる可能性もあり、これによって国民健康保険の負担を避けられます。

仮に、家族が60歳未満の場合、国民年金を納める義務は生じますが、場合によっては、国民年金の免除制度を活用できる可能性もあります。

ケース・バイ・ケースではありますが、家族の誰かが無職になった場合、何かしらの制度を活用できる可能性が高く、それによって、無駄な家計支出が避けられる場合があることを知っておきたいものです。

おわりに

本ページでは、年末調整で無職の人、または、無職だった人と同居している人が知っておくべきポイントとは、どのようなところにあるのかについて解説をさせていただきました。

様々な解説が入り混じってしまっていることから、本ページの要点を箇条書きでまとめます。

・年末調整で無職の人、または、無職だった人と同居している人は、配偶者控除や扶養控除といった各種所得控除を適用することによって納めるべき税金を少なくさせられる可能性がある

・無職の人、または、無職だった人とは、正社員、アルバイト、自営業、臨時職員、フリーランス、無職などの職業や待遇ではなく、1月1日から12月31日までの1年間でいくらの収入があって、その結果、いくらの所得が生じたのか?といったことが関係し、これによって、配偶者控除や扶養控除のなどの適用有無が判定される

・年末調整をする人との関係性によって、適用される所得控除の種類や金額が異なる

私たちの毎日の生活の中で、予測していなかったライフイベントが発生することによって、これまでの生活スタイルが一変することは誰にでも起こり得ることです。

仮に、これを「特殊な事情」とした時、特殊な事情があった年というのは、配偶者控除や扶養控除をはじめとした、各種所得控除が適用できる可能性を秘めていることは知っておいても損はありません。

本ページでは、無職の人や無職だった人と同居をしている人を対象にした内容ではありましたが、これからの人生を生きていく中で、本ページの内容を活かせる時が、多くのユーザーの皆さまにも来る可能性は秘めていると筆者は感じています。

また、特殊な事情の代表格と言えば、やはり、「出産した時」や「育児休業を取得した時」もあてはまるでしょう。

こちらは、あくまでも筆者個人の経験則でのお話となるのですが、出産をされた方や育児休業を取得された方など、特殊な事情があった方で、配偶者控除や配偶者特別控除などの適用を忘れているケースが多くなっています。

そのため、上記のようなケースにあてはまる場合ですとか、友人や知人でそのような方がおられる場合、以下、当事務所で公開している記事内容を確認し、今後の家計のお金や節税について、いま一度、確認されてみるのも良いでしょう。

出産した場合における年末調整の取り扱いと注意点とは?出産にかかる給付金との関係性も合わせて解説


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