20代に対する投資の考え方について記事執筆を依頼されていたものが先程終了し寄稿させていただいたのですが、記事を作成していて現在20代の方が将来を考える上での投資の考え方について、率直に感じたことをまとめて紹介しておきたいと思います。
今回は20代の方に対しての投資の考え方として寄稿させていただきましたが、独立系FPとしてこれまでご相談に応じさせていただきました経験や相談に応じさせていただきましたお客様全体の置かれている状況を考えますと、20代に限らず、30代や40代の方にもあてはまることはあると思いますので、今後を考える上で参考になされてみるのも良いかもしれません。
投資は損をする、投資は怖いといった誤解を払拭する
投資は損をする、投資は怖いといったイメージをお持ちの方が全体的に多いと私は率直に感じているのですが、これには大きな誤解があります。
まず、投資を考える上で最低限知っておかなければならないこととして、投資は「短期投資」「中期投資」「長期投資」といった3つの投資に分けられるということがあげられます。
そして、これら3つの投資には、それぞれメリットやデメリットがあるほか、投資の仕方や注意点が全く異なることを知っておく必要があります。
おそらく、投資は損をする、投資は怖いといったマイナスのイメージをお持ちの方の多くは、投資を前述した3つの投資に分けられることをご存知ではなく、投資としてメジャーな株式投資を思い浮かべている方が多いのではないかと私は感じています。
株式投資は、短期投資としての側面がある一方で、中期投資や長期投資の側面もあることから、自分自身がどのように利益を得たいのかによって、投資の仕方が変わってきます。
しかしながら、これらの投資方法を一色単にまとめてしまいますと、あまり知られていない中期投資や長期投資のメリットが薄れてしまい、短期投資のマイナスのイメージが先行してしまっているのだと思われ、このような解釈は、ご自身にとって投資で賢く自分のお金を資産運用する機会を失っており逆効果です。
そのため、まずもって投資には、短期投資、中期投資、長期投資があり、ご自身が思い描いている将来の考え方によって、活用するべき投資方法が異なることを知っておく必要があるわけです。
20代の方が投資と賢く付き合うために大切なこと
20代の方が投資と賢く付き合うために大切なことは、前述したように短期投資、中期投資、長期投資がそれぞれどのような投資であるのか知ること、そして、自分自身が思い描いている考え方に近い投資とはどのような投資なのかを知り、その投資を実際に始めてみることが大切です。
先日、私が購入したある書籍には、「できる人とは、実際に考えてすぐに行動へ移すことができる人」といった記述がされていて、いろいろと考えて、実際に一歩進められる人が成功を成し遂げる人だという風に私は解釈しました。
ここからは、私個人の率直な感じ方となりますが、20代の方は、全体的に給料の手取金額が少ない場合やまとまったお金が無い方も多いと思いますが、そのような中でも中期投資や長期投資を賢く活用することで、将来必要となるお金を計画的に準備し備えることができるのは確かです。
たとえば、「つみたてNISA」や「iDeCo=個人型確定拠出年金」は、その典型で、毎月自分の無理のない範囲内でコツコツと積立することによって、将来必要になる結婚資金、住宅資金(頭金)、子育ての資金、老後資金といったまとまったお金を準備することができます。
もちろん20代の方が短期投資を行うことは決して悪いことではありませんが、余裕資金を考慮した時、失ってはいけないお金の許容範囲が狭いことも全体的に予測できることを踏まえますと、順序立てて、まずは、中期投資や長期投資で将来の備えを行いながら、余裕があったら短期投資を行ってみるのが良いかもしれませんね。
ちなみに、iDeCo(個人型確定拠出年金)は、原則として60歳になるまでお金を引き出すことができないことに加え、iDeCoの特徴を踏まえた時、投資の目的が老後資金を準備するために限定されるなどの注意点があるため、それぞれ制度の特徴をあらかじめしっかりと学んでおくことが大切です。
お金のプロは、投資とどのように付き合っているのか?
自分のことをお金のプロと言ってしまうのは何だか気恥ずかしいのですが、一応、看板を掲げて業を営んでいることから、ここではあえてそのように謳わせていただきまして、当方が現在投資とどのように付き合っているのか紹介しておきたいと思います。
人の人生というものは、いつ、何が起こるかわからないと前置きしつつ、これまで私は「NISA(少額投資非課税制度)」を活用した投資を行っていましたが、平成30年1月から「つみたてNISA」が新たに始まったことに加え、同年4月に3人目の子供が誕生しました。
はっきり言って予想外でした。
子どもを育てる親とすれば、子どものための教育資金はできる限り確保してあげたいと考えており、これまでNISAで投資をしていたものを、子どもの教育資金を確保するためにつみたてNISAへ変更して、現在も投資を続けています。
なお、つみたてNISAは、基本的に長期投資にあたります。
ちなみに、iDeCo(個人型確定拠出年金)は、加入しておらず、これには2つの理由があります。
1つ目の理由は、私の場合、20歳の時に両親が私の国民年金保険料について学生納付の特例を活用し、国民年金保険料の免除申請をしていたため、自営業者である私は免除期間があることからiDeCoへ加入することができないといった理由があります。
2つ目の理由は、自営業であり退職がないといった理由があります。
私が業として行っている独立系FPという仕事は、一生涯に渡ってできる仕事だと思っておりますし、年金が支給される年齢になったとしても、今のところ年金以上に収入が見込めるわけでありますから、正直な話、老後資金について私は全く心配していません。
とはいえ、これは自営業であるからであり、もし、会社員や公務員であったとしたら老後について心配し、iDeCoを活用した老後資金の準備をしていたことは間違いないと思います。
iDeCoは、節税効果も大きく得られるからこそ尚更そう思うのでしょう。
短期投資につきましては、正確には投資ではなく投機ですが「FX=外国為替証拠金取引」で10年で住宅ローンを完済しながらライフプランを考えるといった馬鹿なことを真剣に考えて行動に移しています。
参考 佐藤元宣FP事務所 FXで住宅ローンを10年で完済するバカみたいなことをまじめに考えた話
短期投資について色々と考えまして、自分のお金に上手く働いてもらうことが大切なことは言うまでもありませんが、その中で、前述したバカみたいな話が、私自身にとって性格上、向いているという結論に至りました。
仮に、FXを短期投資と捉えた時、私は、短期投資としてFXを長期投資としてつみたてNISAを活用し、投資と付き合っており、いずれの投資も自分自身の投資目的に合致した投資であることには変わりありません。
私が思うに投資で大切なことは、自分の目的に合った投資方法を見つけ、実際にまずは始めてみることだと思います。
おわりに
今の日本経済から将来の日本経済が良くなる兆しが一向に見られず、自分自身の考え方や投資を賢く活用した自助努力が将来の自分を支える有効な手段になることを私自身率直に感じています。
20代のように若い方は、投資に与えられている時間が多くありますので、つみたてNISAやiDeCoといった長期投資は、将来の大切なお金を準備するための大切な投資になることは確かです。
現在、じいさん、ばあさんと呼ばれる世代の方と私たち現役世代では時代が大きく異なり、投資やお金の考え方も昔のように預金へ預け入れておければそれで良いといった時代ではなくなっています。
この部分にいち早く気付き行動する20代の皆さんは、行動に移さなかった20代の皆さんと大きな差が生じることは確かでしょう。
豊かな人生は、自分自身で切り開いていくものだと私は思いますが、はてさて、皆さんはどのように感じましたでしょうか?