タイトルの付け方から、もろ噛みつきモードに入っておりますが、先日、日本経済新聞に実費カバーの医療保険について掲載されている記事を目にして率直に感じていることを綴っていきたいと思います。
そもそも実費カバーの医療保険とは、入院した際にかかる差額ベッド代などの自己負担分にあたる実費を保険金で保障してくれるといったものです。
私が、なぜ実費カバーの医療保険ってそもそもおかしくない?と申し上げている理由に、そもそもお客様の医療保険を設計する際に入院費用だけでなく自己負担分にあたる実費も含めて設計するのが普通だろ!っていうことがあります。
つまり、実費カバーの医療保険が誕生したということは、広く考えてみると「実費がカバーできない医療保険に加入している方が大勢いる」「実費がカバーされる保障を求めている方が大勢いる」と考えることができます。
でもこれって本当におかしなことで、保険料を安く見せかけたり、更新型の保険をすすめたり、抱き合わせ保険を設計したり、やりたい放題やってきた保険会社が、今度は、実費が足りない分を保障しますと「いいふりこいて」また金を巻き上げるといった構図じゃないかって思っているのです。
ちゃっかりしているどころの話じゃないと思いますし、さらに気に入らないのが「保険期間」です。以下、日本経済新聞の記事から一部引用して紹介します。
保険期間が10年、5年などの定期なのは、公的医療保険の診療報酬や薬価の改定を将来にわたって見通すことができず・・・
出典 日本経済新聞 平成29年3月4日 23面 クローズアップより一部引用
保険期間とは、その保険の保障有効期間のことを指しており、たとえば、30歳に契約した医療保険の保険期間が10年だとすると40歳までの10年間までしか保障されないといった見方になります。
その10年間・5年間という間に自分が病気になって保険を使うことを知っている人っているのでしょうか?
いつ何が起こるかわからないからこそ、加入しているのが保険なわけですから、この10年や5年といった保険期間というのは、加入する顧客側ではなく売る側の保険会社側の勝手な都合であることは間違いありません。
若年者の方は、やはり最初から良い保険に加入しておくことが望ましいと思いますし、だめな場合は、早急に改善し見直すことが重要です。
また、中高齢の皆さまは、一筋縄ではいかない問題が多々含んでおりますので、ここで簡易な回答をするのは差し控えた方が良いと思っております。ケース・バイ・ケースの対応をする必要があると考えられます。
入院にかかる自己負担金額は、近い将来すでに上がることが決まっているものもあります。また、他の自己負担金額が上がっていくことも十分に予測されます。
だからこそ、収入や支出、ライフプラン、ライフイベント、高額療養費制度、公的年金制度、その他公的健康保険制度といったさまざまな要素を組み合わせて検討し保険設計する必要が「本当は」あるのです。
いずれにしましても、実費カバーの医療保険という聞こえが良い保険というものは、実に多いのですが、保障内容をしっかりと確認し、自分の財産を確保するつもりが自分の財産を失わないように気を付けていただきたいものです。