本ブログは、令和元年8月1日の投稿となりますが、前月の業務を振り返って感じたお金の話をブログに綴らせていただきます。
タイトルにもありますように、令和の時代を迎え、昭和生まれの私からしますと、昭和・平成・令和と3つの元号をこれから生きていくことになります。
私が独立系FPとして事務所を開業して、まだ10年という月日は経過しておりませんが、これまで幅広い年代の方々とお金の相談を通じてプランニングやアドバイスをさせていただき、ご自身のお金を考える上で年代による考え方の違いはおそらくあるのではないか?と感じています。
時代が変化することによって、各種制度や物やサービスの価値、お金の考え方も当然に変わることになりますので、これまでと同じ考え方でいつまでも過ごしていったとしても、それが、その時には最善策であったとしても、時代が変化することによって、最善策が最悪なものになってしまうことがあると思います。
わかりやすいイメージとして、親から相続で取得した不動産を例に考えてみましょう。
大半は、ご自身よりも両親の方が先に亡くなることが考えられ、両親と死別することは避けられないライフイベントではありますが、この時、両親名義の各種不動産を相続によって取得することがあると思います。
この相続で取得した不動産には、価値があるものもあれば、価値のないものもあることが考えられますが、ここで言う価値があるもの、価値がないものの違いというのは、売却や貸付することによってお金に換えられるものではなく、お金に換えたくても換えられない不動産のことを指します。
ご存知の通り、不動産を取得した場合、毎年、所有している不動産の固定資産税評価額に基づいて固定資産税を納める義務を私たちは負っておりますが、お金に換えたくても換えられない不動産は、ただ固定資産税を毎年納めなければならないことに繋がり、かつ、その不動産からお金が生み出されるわけではない場合、キャッシュフローはマイナスになってしまいます。
目先のお金?将来のキャッシュフロー?それとも義理人情?
仮に、親から相続した不動産の固定資産税が年間で5万円かかるものとし、売却や貸付をすることでお金に換えることが難しい不動産である場合、単純計算で10年間に支出するお金は50万円(5万円×10年間)となります。(固定資産税の評価替えは考慮しません)
この状態が、20年後、30年後という長い時を経て、そのまま所有していた場合、支出金額は100万円、150万円と膨れ上がっていき、さらに後世である子供にまで負の影響を与えてしまう懸念が生じてしまいます。
このような状態の中で、たまたま不動産の引き取り先が見つかったとしたら、あなたならその不動産を売却しますか?
金額によるといった声も聞こえてきそうですが、もしも、昭和の時代に、両親が1,000万円の大金をはたいて購入した不動産が100万円でなら買い取るといった場合、あなたなら売却しますか?
目先の100万円、将来、固定資産税を負担し続けることによって無駄金が増えていくキャッシュフロー、親がせっかく1,000万円もはたいて残した財産だから手放さないといった義理人情、あなたはどれを選択しますか?
選んだ選択肢でキャッシュフローが大きく変わる
先の3つの選択肢は、選んだものによってお金の流れ(キャッシュフロー)が大きく変わることになります。
言うまでもなく、不動産を手放さない選択肢、義理人情を重んじる選択肢は、将来のキャッシュフローを引き続き悪くすることになります。
昭和の時代の1,000万円の不動産が、時代の流れと共に減価し100万円の価値しか仮になかったとしても、それは当然と言えば当然ですし、周りからニーズのない不動産であればさらに価値が低くなることは言うまでもありません。
たとえば、当時1,000万円出したから、せめて500万円でならですとか、100万円はさすがに安い、など自己の都合でお金を考える人が、特に昭和の年配には多く見られます(私の父親もこの部類)が、お金の知識があまりにも乏しすぎますね。
目先のお金(金額)や利益を追求して本質が見えないこと。
これはお金を考える上で、本当に注意が必要なことです。
本ブログの冒頭では、ご自身のお金を考える上で年代による考え方の違いはおそらくあるのではないか?とお伝えしましたが、歳を重ねている方ほど、「頭が固くて柔軟じゃない」人が多いってことなのかもしれません。
若い世代の皆さんには、まねて欲しくないと心から感じます。
おわりに 当事務所の価格改定について
消費税の増税がいよいよ近づいて参りましたが、当事務所では、これに合わせて報酬の価格改定を行います。
現在、当事務所のホームページで明示させていただいている報酬価格よりも増加することは言うまでもございませんが、今のところ、サービス内容の変更やメニューのシンプルさも検討しているところです。
もう少し時間をかけて色々と考えていきますが、大まかなサービス内容や価格につきましては、9月あたりを目途にホームページ上で公開していけたらと思っています。
話が元に戻りますが、私たちは、生きている間、当然にお金と付き合っていき、死亡した後に、後世にお金の負担をかけさせないような対策を取っておくことが最低限の心得なのではないかと私は感じます。
今回のお話では、不動産や相続に絡むものでしたが、保険や住宅、税金、年金など、お金が絡むものにこのようなものは付きものです。
時代の流れと共に変化させる必要があるもの、変化をする必要がないものの判断をしっかりと身に付け、大切なお金と長く付き合っていきたいものです。