令和5年4月より、フラット35の金利が大幅に引き下げられることがニュースになりました。
これは、住宅ローンの申し込みをこれから予定している人や数年後に住宅ローンを申し込みしようと考えている人にとって、とても興味深いニュースだと思います。
ただ、独立系FP(ファイナンシャルプランナー)としますと、この機会に改めて再確認すべきことがあるよね?と感じています。
本ページでは、ごくあたりまえのことを淡々と綴っていきますが、これから住宅ローンを検討している人は、ぜひ最後まで読み進めていただければと思っています。
【はじめの一歩】住宅ローンの金利よりも大切なことを知ろう
住宅ローンの融資が決定しますと、返済開始から完済までの期間が長期間になることが一般的です。
そのため、長い期間に渡る住宅ローンの返済が家計の大きな負担にならないように留意しておかなければなりません。
そして、住宅ローンの金利が高い低いよりも前に、毎月の返済が無理なく継続して行える金額になっている必要があります。

完済まで無理なく、余裕の持てる返済金額になるような住宅ローンを組むことが何よりも大切!
無理のない住宅ローンを組むために大切なこと
無理のない住宅ローンを組むためには、まずもって、毎月の返済金額がどのくらいならばよいのか?を感覚的に知っておかなければなりません。
このとき、家計の収支状況を再確認しておくことが望ましく、できることならば家計のお金の流れにあたる「キャッシュフロー表」を作成しておきたいものです。
また、住宅ローンの返済金額は、以下のようなさまざまな条件によって全く異なることも知っておく必要があります。
・住宅ローンを申し込む金融機関(住宅ローンにかかる各種諸費用含む)
・住宅ローンの金利の種類と年利率
・返済方法
・返済期間
・ボーナス払いや頭金の有無
上記、それぞれの条件がどうなのか?によって、シミュレーションを行った住宅ローンの返済金額は全く異なります。
将来必要となるお金の準備もできるような返済金額に設定しよう
住宅ローンの返済金額は、毎月無理なく返済できる金額にする必要があることをお伝えしました。
しかし、これだけでは不十分といえ、将来必要となるお金の準備もできるような返済金額になっていることが大切です。
ここでいう将来必要となるお金には、個人差があることを前置きし、一例として以下のようなものがあげられます。
・毎年の固定資産税など納税資金
・火災保険料(月払い・年払い・長期一括払い)または保険積立金
・地震保険料
・住宅修繕積立金
・子どもの教育資金
・自分たちの老後資金
・住宅ローンの繰り上げ返済資金
ケースバイケースとはいえ、上記のお金は、ある程度まとまった金額が必要となるでしょう。
そのため、毎月の住宅ローンを返済しながら、これらのお金も計画的に時間をかけて準備するように心がけておくことが望ましいといえます。

【賢く住宅ローンを組むために】目に見えるフラット35の金利は高めだが・・・
フラット35は、長期固定金利の住宅ローンであるため、金利は高めに設定されています。
しかし、フラット35はさまざまな商品(タイプ)があり、住宅ローンの組み方や置かれている状況、申し込みする人の属性などによっては、低金利で借り入れできる場合もあります。
つまり、目に見える高めの金利だけで判断することは、賢い住宅ローンを組める機会を逃してしまう可能性があるといえます。
そのため、金利の高い低いだけではなく、住宅ローンにかかる諸費用も考慮した上で総合的に比較検討していくことが大切です。
マネープラン・住宅ローン審査対策・節税対策を確実に
これまでのことを踏まえると住宅ローンの申し込み前に、必要なマネープランや住宅ローンの審査対策を合わせて行っておくことが望ましいといえます。
また、これらはできる限り時間をかけて1つずつ確実に解決しておくことが望ましいですし、独立系FPのように専門家の提案を考慮しながら解決策を導くのがよろしいでしょう。
加えて、住宅ローンを組むことによって受けられる住宅ローン控除による節税対策も確実にしておきたいものです。
たとえば、収入合算による持分割合はどのようにしたらよいのか?
iDeCoやふるさと納税などによる節税効果は、住宅ローン控除によって引き続き得られるのか?
個人事業主など自営業者が小規模企業共済に加入している場合の節税効果はどうなのか?
などなど、その人による節税効果の違いは大きく表れることでしょう。
独立系FPとしては、相談する人の基本情報やニーズをすべて知らなければ最も望ましい方法を選択しご提案することはできません。
しかしながら、1つの選択肢として、専門家を間にはさんで各種プランや対策を考慮することは、世帯のお金を長い目で見たときにプラスに働く可能性は高いと思います。
