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令和3年度に初めて住宅ローン控除の適用を受ける人は注意した方がよいのではないかと本当に感じたFP相談の話

本日(令和4年2月13日)、当事務所でFP相談(1年契約型)のサービスを締結していただいているお客様のFP相談対応を行いました。

このお客様は、令和3年度に新築住宅を取得し、住宅ローン控除の適用要件を満たしていたのですが、初年度確定申告にあたり注意すべき点があったことから、この話についてブログへ綴っていきたいと思います。

今回の内容は、すべての人にあてはまる話ではございませんが、以下、3つのすべてにあてはまる人の場合、役に立つ話になるのではないか?と感じています。

1.令和3年度に住宅等を取得し、所得税の確定申告をご自身で行って初めて住宅ローン控除の適用を受ける予定の人

2.すまい給付金を受け取った人

3.グリーン住宅ポイントの付与を受け、令和3年度中にグリーン住宅ポイントを使用した人

上記を踏まえ、令和3年度に住宅ローン控除の適用を受ける人は注意した方がよいのではないかと本当に感じたFP相談の話を綴っていきます。

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【本記事の注意点】は、一時所得の課税関係

本記事の結論となりますが、冒頭でお伝えした3つの条件すべてにあてはまる人は、所得税の確定申告において、「一時所得」の記載もれをしないように注意をしなければならない可能性が大いにあります。

この理由として、「受け取ったすまい給付金」および「使用したグリーン住宅ポイント(受け取ったポイントではない)」は、一時所得として所得税等の課税対象になるからです。

上記内容について、国税庁のWEBサイトにある「一時所得Q&A」の内容を基に紹介していきます。

Q1.グリーン家電エコポイントや省エネ住宅ポイント(住宅エコポイント)を商品に交換した場合には、所得税の課税対象になりますか。

A1.2 省エネ住宅ポイント(住宅エコポイント)
個人が、エコ住宅の新築等を行ったことにより付与されたポイントをエコポイント交換商品に交換した場合や一定の追加工事の費用に充てた場合には、その交換商品の価額やその費用に充てた金額が経済的利益となり、交換又は費用に充てた日の属する年分の一時所得として所得税の課税対象になります(※)。

※ 一時所得の金額の計算においては、50万円の特別控除の適用があります。

出典:国税庁 No.1490 一時所得 Q&A エコポイントの課税関係より一部抜粋引用

上記の解説を見ますと「グリーン住宅ポイント」と記載されておりませんが、グリーン住宅ポイントも上記と同様の取り扱いとなります。

つまり、令和3年度中にグリーン住宅ポイントの付与を受け、かつ、令和3年度中にグリーン住宅ポイントを使用したポイント分は、一時所得になるわけです。

たとえば、令和3年度中にグリーン住宅ポイント30万の付与を受け、かつ、令和3年度中にグリーン住宅ポイント30万(すべて)を使用した場合、一時所得の収入金額は30万円となります。

佐藤 元宣
佐藤 元宣
注意点は最後まで読み進めていただくことでわかります。次は、すまい給付金の取り扱いを紹介します。

すまい給付金の税法上の取り扱い

国税庁のWEBサイトにある「一時所得Q&A」では、すまい給付金の税法上の取り扱いについて、以下のように解説しています。

Q2.「すまい給付金」や「住まいの復興給付金」を受け取った場合には、所得税の課税対象になりますか。

A2.1 「すまい給付金」や「住まいの復興給付金」の課税関係

「すまい給付金」や「住まいの復興給付金」(以下「すまい給付金等」という。)を受け取った場合には、受け取った日の属する年分の一時所得として所得税の課税対象になります。

※ 一時所得の金額の計算においては、50万円の特別控除の適用があります。

出典:国税庁 No.1490 一時所得 Q&A すまい給付金等の課税関係より一部抜粋引用

上記解説より、受け取ったすまい給付金は、一時所得として課税対象になることが確認できます。

佐藤 元宣
佐藤 元宣
グリーン住宅ポイントの使用分とすまい給付金の受け取りにかかる注意点がどこにあるのか?具体例で紹介していきます。

グリーン住宅ポイントの使用分とすまい給付金の受け取りにかかる注意点

グリーン住宅ポイントの使用分とすまい給付金の受け取りにかかる注意点がどこにあるのか?いまいちピンとこない人もおられると思います。

そのため、以下、具体例と一時所得の計算例を紹介することによって、注意点をご理解いただけるものと思います。

具体例・前提条件と一時所得の計算例

1.令和3年度に住宅等を取得し、すまい給付金50万円を受け取った

2.令和3年度に住宅等を取得し、グリーン住宅ポイントとして30万ポイントの付与を受け、同年中(令和3年中)にすべてポイントを使用した

上記の場合、すまい給付金50万円と使用したグリーン住宅ポイント30万円分が一時所得の収入金額になります。

なお、一時所得には、計算式が設けられており、以下の計算式にあてはめて計算します。

総収入金額-収入を得るために支出した金額(注)-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額

(注) その収入を生じた行為をするため、または、その収入を生じた原因の発生に伴い、直接要した金額に限ります。

出典:国税庁 No.1490 一時所得 計算方法・計算式 所得の計算方法より引用

上記計算式にあてはめると、具体例の場合、以下のように計算されます。

総収入金額

50万円+30万円=80万円

 

収入を得るために支出した金額

0円

 

特別控除額

50万円

 

80万円-0円-50万円=30万円

計算例において、グリーン住宅ポイントおよびすまい給付金に対して、それぞれ特別控除額50万円が適用されるわけではない点に注意です。

ちなみに、計算結果では、30万円が一時所得となりそうですが、これは「誤り」であり、以下の解説を読み飛ばさないようにしましょう。

一時所得は、その所得金額の2分の1に相当する金額を給与所得などの他の所得の金額と合計して総所得金額を求めた後、納める税額を計算します。

出典:国税庁 No.1490 一時所得 計算方法・計算式 税額の計算方法より引用

上記解説より30万円の2分の1にあたる「15万円」が一時所得の金額となります。

佐藤 元宣
佐藤 元宣
etaxを活用すると、入力間違いさえしない限り、所得計算の間違いは確実に防げます。

すまい給付金は住宅ローン控除の適用において助成金にあたるため注意

すまい給付金を受け取り、かつ、住宅ローン控除の適用を初めて受ける場合、受け取ったすまい給付金は、住宅ローン控除の適用において、受け取った助成金扱いとなるため、所得税の確定申告書を作成する際、記載もれがないように注意が必要です。

ご自身で所得税の確定申告を行う予定である場合、etaxを活用しますと、必要事項の入力もれがない限り、正確で記載漏れがない所得税の確定申告書を作成できるため、個人的にはおすすめできるものと思っています。

マイナンバーカードを持っている人で、所得税の確定申告をする予定がある人は、新型コロナウィルスのリスクを避けつつ、いつでも自宅で確定申告書を作成して申告をすることができるため、この機会に挑戦してみるのもよろしいのではないかと感じています。

おわりに

FP相談実務を通じて率直に感じた話をブログへ綴らせていただきましたが、個人的には要注意ポイント、かつ、確定申告に不慣れな人や税金についてよくわからないという人にとっては役立つ可能性の高い内容だと思います。

今回のブログは、あくまでも令和3年度に初めて住宅ローン控除の適用を受ける人など限定的なものではありますが、令和3年度における所得税の確定申告期間がいよいよ始まることから、余裕を持って正しい申告をするためにお役立ていただければと感じています。

ユーザーのみなさまの中で、ご自身だけでなく、冒頭で紹介した条件にあてはまる知り合いがおられる場合、有意義な情報や注意喚起として話のネタにしていただくことも間接的にその人のためになるかもしれません。

佐藤 元宣
佐藤 元宣
最後まで読み進めていただきましてありがとうございます。内容がためになった人は、SNS等でシェアしていただければ励みになります。

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