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FPに相談することで明確な答えが得られるのか?を疑問視した話

昨日(平成29年9月22日)に、ファイナンシャルプランナーjpというポータルサイトの無料相談案件として「年金追納と個人型確定処出年金のどちらが得策なのか?」といったような内容について質問があり、それに答えて欲しいとのメールが届きました。

実際に質問内容や回答しているFPの見解を一通り見ていくと、そもそも、FPに相談することで、自分にとって必要な明確な答えが得られるのだろうか?といった疑問をFPであるが故に感じてしまいました。

本ブログでは、無料の質問掲示板に公開された質問内容を紹介し、それに対する私の見解および考えを綴らせていただきたいと思います。

質問内容

現在28歳です。

昨年から主人の扶養にはいり、年金は大丈夫なのですが、以前若年者猶予の申請をしており7年分が残っております。

今後を踏まえ、ダブルは厳しいので、何年分かを追納をし、その後は個人型確定処出で補うか悩んでおります。

どの様な形がいいのでしょうか。

出典 ファイナンシャルプランナーjp 年金追納と個人型確定処出について より引用

 

質問から1つずつ紐解いてみる

質問は、平成29年9月現在の各種法令に基づいて回答しているものとしますが、はじめに、「昨年から主人の扶養にはいり、年金は大丈夫」といった部分より、質問者様は、現在、国民年金の第3号被保険者になっており、年金を実際にお金を支出して納めてはいないと解することができます。

同時に、第3号被保険者に該当するための条件を大まかに紐解いていった時、少なくとも質問者様の収入は年間130万円以下であることもここから推測できます。

「以前若年者猶予の申請をしており7年分が残っております」といった部分より、様々な理由で、国民年金の納付について免除を受けている期間があることもここから確認することができます。

これらを踏まえて、実際に質問に対する見解に入っていきたいと思います。

 

質問に対する見解

それでは、質問者様の「今後を踏まえ、ダブルは厳しいので、何年分かを追納をし、その後は個人型確定処出で補うか悩んでおります。どの様な形がいいのでしょうか」といった質問に対する見解をしていきたいと思います。

全体的な質問を通して、質問者様は、老後における将来のお金が心配であり、それに向けた最善策を知りたいということが確認できます。

あくまでも推測になりますが、年収130万円以下で個人型確定拠出年金に加入することは、資産運用や将来の受け取りにおける節税効果は期待できるものの、確定拠出年金の掛金を支払った時の節税効果は残念ながら期待できません。

この理由は、年収130万円以下といった、収入が低いためであるからです。

また、個人型確定拠出年金に加入すると、原則として60歳までお金を引き出すことができませんので、「今後を踏まえダブルは厳しい」といった文言から、経済的な余裕があまりないと解することができ、万が一の支出に対して早急に現金化できるリスクヘッジ対策があっても良いのでは?と考えられます。

さらに、節税の話をもう少し広げていきますと、個人型確定拠出年金に支払った掛金は、質問者様本人の所得控除の対象になるものの、ご主人様の所得控除として取り扱うことができないため、節税効果がさらに薄まってしまい、家計全体のお金のことを考えた時、残念ながらマイナスに作用すると解されます。

一方で、免除を受けている年金について追納することは、この支払った年金保険料は、ご主人の「社会保険料控除」として、所得税および住民税の軽減対象になりますので、少なくとも節税といった面においては、免除を受けた年金を追納された方が得策だと思われます。

将来の年金は、今後さらに少なくなることは確かだと思われますが、国民年金は「終身年金」、個人型確定拠出年金は「有期年金」といった部分にも着目しておきたいものです。

質問者様は、女性であり長生きすればするほど、年金は多く貰えるといった仕組みが確立されている以上、この辺も視野に入れた選択肢を持つことが必要でしょう。

これらの理由から、追納と確定拠出年金のどちらかを二者択一で選ばなければならないとするならば、当事務所では「追納」をすすめるでしょう。

 

質問に対する提案

免除を受けた国民年金を追納することで、節税をしながら、将来の老後資金を確保するといった部分を確立できるものの、十分とは言えないことは確かです。

そこで、質問者様には、追納をしながら「無理のない範囲内で投資信託を積立購入することをおすすめしたい」ものです。

この方法でしたら、少なくとも老後における将来のお金が心配であり、それに向けた最善策を取りたいといったことができると思われます。

ちなみに、平成30年1月より「積立NISA」が始まり、投資信託を積立購入して資産運用し、20年後、30年後といった将来に向けて資産形成するといった目的には、適している制度であるとも考えられますので、証券会社やその他、積立NISAの口座開設について取り扱っているところを調べて確認してみるのも得策でしょう。

参考までに。

 

おわりに ~FPに相談することで明確な答えが得られるのか?~

本ブログで綴った質問の内容は、あくまでも無料ポータルサイトからの質問であり、有償および無償といったことから、さほど、深い部分まで触れないことは確かである一方、それぞれのFPの見解はわかれており、最終的には質問者様自身が良し悪しを自己判断することが求められます。

このように考えた時、はたしてFPに相談することで明確な答えが得られるのか?といった疑問を私自身が持つようになりまして、何とも難しい問題だなと率直に感じてしまいました。

FPによって様々な意見があるため、誰の意見が正しい、間違っているといった物の見方なのではなく、お客様ができる限り最善となる道筋をしっかりと立ててあげるのがFPの役割でもあると考えますと、やはり、1人ひとりのFPがスキルを高めていかなければならないのだろうとも感じました。

FP全体の質を高めるためにも、個々が自助努力を惜しまないことが大切だと感じた案件でした。

なお、質問内容と他のFPの見解は、以下リンクから確認が可能です。

参考 ファイナンシャルプランナーjp 年金追納と個人型確定処出について


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