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この程度のレベルでFPを名乗って欲しくないと本気で感じた話

先日、当事務所が登録しているファイナンシャルプランナーjpから、掲示板に対するアドバイスをして欲しいとのメールが届いたことに伴いまして、質問の内容とその質問に対して回答しているFPの方々のものを拝見させていただいたのですが、一言「この程度のレベルでFPを名乗って欲しくない」と本気で感じました。

基本的に同業者の悪口を言うつもりは一切ありませんが、明らかに誤っている回答もあり、質問者の方が困惑していることも見て取れ、「FPってこの程度?」って思われたくないこともあるほか、当事務所からの情報提供といった意味も込めて質問内容と正しい回答を紹介しておきたいと思います。

なお、こちらの回答は、平成30年1月31日現在の法令に基づいたものとなります。

質問内容 年金追納か確定拠出年金か

1か月半後に53歳になります。普通預金に入れっぱなしにしていた300万を年金追納にあてるか、個人型確定拠出年金を購入するか悩んでいます。11年前から5年前くらいまで所得低く年金が全額または半額免除されていました。お金に少し余裕ができたので、その時免除されていた年金追納するか新たに個人型確定拠出年金始めるか悩んでいます。自営業者です。年金追納すると支払い額が当時支払いしていた時より追納額高くなりますか?どちらも全額支払い額が控除されるのは同じみたいですが、私の年齢ならどちらがお勧めなのでしょうか?アドバイスよろしくお願い致します。

上記質問に対する答えは、ケース・バイ・ケースとはならず、明確かつ正しい回答を質問者に対して提示することができます。

質問の内容から、年金の追納額が高くなるのか?年金追納と個人型確定拠出年金のどちらが自分にとっておすすめなのか?といった2つの質問がされておりますが、年金の追納額は高くなるとざっくり回答をした上で、年金追納と個人型確定拠出年金のどちらがおすすめなのか?といったことに焦点をあてて回答を進めていきます。

回答 そもそも、質問者の方は、個人型確定拠出年金に加入することができない

個人型確定拠出年金=iDeCoに加入するためには、加入者が置かれている状況を判断し、個人型確定拠出年金の加入の可否や月額いくらまで掛金を拠出することができるのかを判定しなければなりませんが、質問者は、そもそも個人型確定拠出年金に加入することはできません。

この理由として、質問の内容より「11年前から5年前くらいまで年金の全額または半額免除の履歴があること」「現在、自営業者であること」の2つが大きなポイントになるのですが、質問文全体より、質問者の現在における国民年金の種別は「第1号被保険者」に該当します。

出典 iDeCo公式サイト iDeCoをはじめよう より一部抜粋・引用

 

個人型確定拠出年金に加入する際に、国民年金の第1号被保険者の場合、「国民年金保険料の未納や免除期間といった履歴がないこと」が、個人型確定拠出年金に加入することができる要件として定められています。

画像クリックで拡大表示が可能です。

出典 iDeCo公式サイト よくあるご質問 誰が加入できますか より引用

国民年金の第1号被保険者の場合は、「国民年金保険料の免除などを受けている方を除きます」と書かれており、「免除など」には、国民年金保険料の免除のほか国民年金保険料の未納も含まれます。

これらの理由から、質問者の方は、個人型確定拠出年金を選択することはできないと解することができ、年金追納と個人型確定拠出年金のどちらがおすすめなのか?といった質問に対しては、現時点では年金追納しか選ぶことができないとするのが正解なわけです。

この程度のレベルでFPを名乗って欲しくないと本気で感じたわけと今後の願い

この質問に対して、年金追納が良い、個人型確定拠出年金が良い、どちらが良いか決めるのは難しいなどといったことが回答されており、そもそも個人型確定拠出年金の加入診断について誰も触れていないことに対しておかしなことだと感じましたし、誤った回答を提供していることに、私は大きな憤りを感じてしまいました。

掲示板でアドバイスを試みようとも思いましたが、それぞれの立場もあることを踏まえて遠慮しましたが、正しいことを伝えておきたいという想いから、あえて当事務所のブログには綴っておこうと考えました。

おそらく、掲示板を見た多くのFPの先生方も同じ想いをされていることと思いますが、すべてのFPがこの程度のレベルではないことを知っていただきたいといった気持ちでいっぱいです。

実際のところ、FP資格を有してはいるものの、FP実務が浅い方やFP実務をそもそもやっているのか分からない方、知識そのものが乏しい方も多くおられるのも現状で、ただ資格があるから名乗っているのは決してダメなこととは言いませんが、せめて遠慮が必要だと思いますし、表立ったことをしてしまうのは、FPを生業にして、本気で業を真剣に営んでいる方々への配慮や敬意が足りていないと私は感じています。

語弊の無いように申し上げておきたいのですが、表立ってアドバイスをするのであれば、根拠を持ってできる限り正確なアドバイスを提供して欲しいですし、ざっくりとした適当なことをして欲しくないといった願いが込められていると理解していただければ幸いなのです。

FP全体が見られ、質が問われることを踏まえますと、今後のFPの名乗り方の在り方には、何かしらの改善が必要なのではないかと思います。


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