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税法上の「扶養」って何?扶養控除についてざっくりまとめました
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扶養控除とは、子供や両親など、配偶者以外の親族を扶養している場合に適用をすることができる所得控除のことをいい、扶養控除を適用することによって、納めるべき所得税や軽減させられる効果があります。

通常、会社員や公務員などのように勤務先が行う年末調整によって、扶養控除の適用を受けている場合は、確定申告などのように、特別な手続きをする必要はありませんが、年末調整後に親族を扶養することになった場合や扶養控除を適用できるのにも関わらず、適用を忘れてしまった場合などは、確定申告をすることによって扶養控除の適用を受けることができます。

そこで本記事では、扶養控除に焦点をあて、国税庁が認めているさまざまな扶養控除のポイントについて紹介していきます。

扶養控除を判定する上でのルール

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国税庁が認めている扶養控除の適用を受けるためには、いくつかのルールを満たしている必要があり、その中の1つに「12月31日(年末)時点での年齢や扶養をしているといった現況によって判断される」ことがあげられます。

ざっくりいってしまえば、12月31日に時点において、扶養している方に収入がなかったり、所得が少ない人と一緒に生活を共にしていれば扶養控除は適用されるといったイメージになります。

ただし、扶養控除の判定は、現況を詳しく確認する必要性があることから、たとえば、継続して仕送りをしている場合やその他の複雑な事情がある場合は、税務署や専門家である税理士に確認することが望ましいでしょう。

税法上の扶養は全部で4つにわけられる

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税法上の扶養は、大きく「年少扶養親族」「一般扶養親族」「特定扶養親族」「老人扶養親族」の4つにわけられる特徴があり、それぞれの扶養によって、扶養控除の対象になるのか、対象外なのかといった取り扱いが異なります。

くどいようですが、先に紹介しましたように、12月31日(年末)時点における現況で扶養控除の適用の可否が判断されることになります。

年少扶養親族(0歳から15歳まで) 

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年少扶養親族は0歳から15歳までの子どもを扶養している場合に該当します。

年少扶養に該当している子どもを扶養している場合は、残念ながら扶養控除の適用はできませんが、その代わり「児童手当」の支給や乳幼児および小中学生の福祉医療制度、いわゆる「マル福」のほか、義務教育にかかる授業料の無償化などといったその他の制度で恩恵を受けているといった特徴があります。

一般扶養親族(16歳から18歳まで・23歳から69歳まで)

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一般扶養親族は、16歳から18歳までの、いわゆる高校生の子どもを扶養している場合や23歳から69歳までの収入が低い人を扶養している場合に適用される扶養控除のことをいいます。

扶養控除は、先に解説しました通り「12月31日の現況で判断」されることになることから、たとえば、同じ高校1年生であったとしても早生まれであるかどうかによって取り扱いが異なることになり、その年に16歳である場合もあれば15歳である場合もあることになります。

決して早生まれが損といったことではなく、あくまでも扶養控除の適用できる年にずれが生じることがあるといったことが大きなポイントになります。

一般扶養親族を扶養している場合に適用される所得控除は、所得税で38万円、住民税で33万円となります。

特定扶養親族(19歳から22歳まで)

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特定扶養親族とは、19歳から22歳までのいわゆる大学生の子どもを扶養している場合に適用される扶養控除のことをいいます。

誤解の無いように申し添えておきますが、あくまでも19歳から22歳といった年齢が関係しているわけでありますから、必ずしも大学生や短大生などの学生でなければいけないといったことではありません。

たとえば、20歳で専門学校を卒業し就職したものの、22歳で退職しフリーターである子を12月31日時点で扶養しているといった場合には、特定扶養親族を扶養しているものとして、扶養控除の適用をすることができます。

扶養控除の判定は収入や所得の有無はもちろんですが、やはり12月31日の年齢によって大きく左右されることがポイントになります。

特定扶養親族を扶養している場合に適用される所得控除は、所得税で63万円、住民税で45万円となります。

老人扶養親族(70歳以上)

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老人扶養親族とは、70歳以上の高齢者を扶養している場合に適用される扶養控除のことをいい、血がつながっている「直系尊属」であるかどうかのほか、同居や別居といった状況において取り扱いが細かく違う特徴があります。

また、私たちがイメージする同居や別居と税法上で認めている同居や別居の解釈は異なるといった事情もあることから、老人扶養を適用できそうな場合は、税務署や専門家である税理士に一度、相談してみることをおすすめします。

なお、老人扶養親族を扶養している場合に適用される所得控除は、特殊な仕組みになっており、たとえば、扶養している方と血がつながっている、いわゆる直系尊属で、かつ、同居している場合は、所得税で58万円、住民税で45万円の所得控除が適用されますが、別居している場合は、所得税で48万円、住民税で38万円の所得控除となります。

知っ得?な情報を紹介

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ここまで「年少扶養親族」「一般扶養親族」「特定扶養親族」「老人扶養親族」の4つの扶養についてざっくりと紹介してきましたが、ここからは、専門家FPとして知っていれば得?せめて損は避けられるといった情報を2つ紹介していきます。

扶養者が年の途中で死亡した場合は死亡時での現況で判断される

仮に、扶養控除の対象となっている扶養親族が、年の途中で亡くなってしまった場合は、これまでに解説した内容ですと、12月31日の現況にあてはまらないため、一見、扶養控除の適用対象外のように思えてしまいます。

しかしながら、扶養控除の対象となっている扶養親族が、年の途中で亡くなってしまった場合は、死亡時での現況で扶養控除の適用の有無が判断されることになっており、たとえば、平成30年中に扶養している父親が亡くなった場合は、平成30年12月31日に父親がすでに他界しており、扶養控除が適用できないといった考え方になるのではなく、死亡時に扶養していたという現況が優先されるため、結果として扶養控除が適用されると国税庁は認めています。

参考 国税庁 年の中途で死亡した夫の控除対象配偶者とされた妻の扶養控除

おわりに

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扶養控除は、「人的控除(じんてきこうじょ)」とも呼ばれ、公平な税負担をするといった意味ではなくてはならない制度であることは間違いありません。

私たちが納めている所得税は、申告納税制度といって自分たちで税金を計算して申告し、納税するといった仕組みが採用されていることから、仮に適用できる扶養控除を適用しないで申告した場合において、税務署側から指摘を受けることがない一方で、誤って扶養控除を適用して申告した場合は、後から修正申告が必要なほかにペナルティーとなる税金が課せられてしまいます。

現在では、年末調整や確定申告といった税金の精算手続きにおいてマイナンバーがわかるものを添付したり記入したりしなければならなくなっているため、税金を少なく申告した場合や適用ができない扶養控除を適用している場合は、簡単に気が付けてしまう仕組みが構築されています。

扶養控除の適用は、基本的に大きく変わることはありませんが、毎日の生活の中で、新たに親族と同居することになったり、別居することになったり、仕送りを始めたり、などいつもと変わったことがあった場合に扶養控除の適用の有無が密接に関わってくることがあります。

そのため、このような特殊な事情があった場合は、扶養控除の適用が可能なのかどうかについて、一度、確認されてみることが望ましいと思います。


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