本ページでは、つみたてnisa(積立nisa)は、おすすめできる資産運用なのかどうかについて、コロナショックが与えた運用状況と共に筆者の考えを紹介し解説をしています。(令和2年8月31日、最終更新)
新型コロナウィルスが、つみたてNISAの運用損益にどのような影響を与えたのかを紹介しています。
はじめに、コロナウィルスによって世界の様々な国で多大な損害が生じており、株価や為替の乱高下をはじめとして世界経済が大混乱に陥りました。
このような状況下の中で、投資信託もしくはETF(上場投資信託)を毎月一定金額ずつ積立購入して資産運用を行う「つみたてnisa(積立nisa)」を行っている人のほとんど(筆者個人としては、すべての人と言い切っても良いと考えています)は、一時的に大きな含み損を抱えることになったと思われます。
ここの部分だけを見ますと、これからつみたてnisa(積立nisa)で資産運用を行いたいと考えている人にとってみますと、「怖い」ですとか「損をしたくない」といった心理が働くことでしょう。
本ページでは、このような心境になる投資初心者の人を対象に、つみたてnisa(積立nisa)は、はたしておすすめできる資産運用なのかどうかについて、実際に筆者が行っているつみたてnisa(積立nisa)におけるコロナショックが与えた運用状況の紹介と共に解説を進めていきます。
目次
コロナショックが与えているつみたてnisa(積立nisa)における運用状況
まずは、実際に筆者が行っているつみたてnisa(積立nisa)における運用状況について、コロナショックが与えた影響を紹介します。
上記画像は、筆者が行っているつみたてnisa(積立nisa)における運用状況であり、令和2年3月26日時点のものです。
本ページの冒頭でもお伝えしましたようにコロナショックの影響によって、令和2年3月26日時点において、113,392円の含み損を抱えていることが確認できます。
ちなみに、令和2年3月14日時点の運用状況は、以下の通りです。
コロナショックによって生じている世界的な株価や為替の乱高下などによって、資産運用をしている投資信託の評価損益も毎日大きく上下変動しました。
私は、FXも行っており、為替相場も普段では考えられないくらい、毎日乱高下した時期でした。
参考 コロナショック前におけるつみたてnisa(積立nisa)の運用状況
前項で紹介した筆者のつみたてnisa(積立nisa)における運用状況より、コロナショックによって大きな含み損を抱えていることが確認できました。
ここでは参考までに、コロナショック前におけるつみたてnisa(積立nisa)の運用状況も紹介しておきます。
上記画像は、令和2年1月22日時点における筆者のつみたてnisa(積立nisa)での運用状況になります。
コロナショック前の時点では、順調に含み益が生じている一方、コロナショックによって、112,202円の含み益が現状113,392円の含み損に変わったわけであり、急激な株価や為替の変動が与えている影響は大きいことがわかるのではないでしょうか?
これは、実際に、筆者が積立投資をしている投資信託のチャートを見ると、よりコロナショックが与えている影響がわかりやすいと思われます。
投資信託の基準価額の推移を確認
上記画像は、筆者がつみたてnisa(積立nisa)で毎月積立投資をしている投資信託のチャートになります。
2019年の赤枠で囲われている部分が、いわゆる「アップルショック」にあたり、2020年の赤枠で囲われている部分が「コロナショック」における影響です。
2019年1月のアップルショックによって、一時的に投資信託の基準価額が大きく下落しました。
しかしながら、その後、時間の経過と共に基準価額が元に戻っただけでなくさらに上昇していることが上記チャートから確認できます。(基準価額は、投資信託の現在価値と考えるとイメージがしやすいです)
そのような中で、2020年のコロナショックによって再び、大きく基準価額が下落することになりました。
つみたてNISAは、本当におすすめできる資産運用なのか?次項で解説していきます。
つみたてnisa(積立nisa)は、おすすめできる資産運用なの?
つみたてnisa(積立nisa)は、おすすめできる資産運用なのかどうかについて、筆者は「おすすめできる資産運用である」と言い切ります。
ただし、これからお伝えをする2つの簡単な最低条件をいずれもしっかりと満たすことができるのであれば、コロナショックの影響を考えることなく始めるのが効果的であり期待値が高くなることでしょう。
ただし、これから解説する2つの最低条件を必ず守ることが成功するためのポイントです。
1つ目の条件 15年や20年などのように長い時間をかけて「継続した」積立投資ができること
つみたてnisa(積立nisa)がおすすめできる資産運用と言い切るには、15年や20年などのように長い時間をかけて「継続した」積立投資ができることが最低条件の1つです。
ポイントは、「継続」と「長い時間をかける」ところです。
つみたてnisa(積立nisa)では、金融庁が指定している「投資信託」もしくは「ETF(上場投資信託)」を毎月一定金額ずつ買付する方法によって資産運用を行うことになります。
この時、重要なポイントとして、毎月一定金額ずつ継続して投資信託などを買付し、保有する口数を増加させるところにあります。
長い時間をかけてコツコツ積立を継続することが、資産形成するための必須事項となります。
投資信託における口数とドルコスト平均法
口数とは、ざっくり投資信託の単位と考えて差し支えなく、たとえば、投資信託の現在価値にあたる基準価額が10,000円であったとして、10,000円分を買付する場合、その月の保有口数は10,000口になるといったイメージです。
出典 日本証券業協会 つみたてNISA 積立投資を知るより引用
つみたてnisa(積立nisa)は、上記画像の「定額購入方法」にあたり、基準価額が低い時は口数が多く買付でき、基準価額が高い時は口数が少なく買付できる特徴があります。
これをドル・コスト平均法と言い、毎月決まった口数を買付する「定量購入方法」に比べて平均買付価格を低く抑えられる特徴が大きな強みです。
つまり、今回のようなコロナショックによって基準価額が大きく下落した場合に、投資信託などの買付を行うということは、基準価額が低い状態で多くの口数を保有できることにつながり、コロナショックが落ち着いた後の経済の回復(リバウンド)によって、大きな含み益が生じやすくなるわけです。
「ピンチはチャンス」と言われることがあるのですが、つみたてnisa(積立nisa)をこれから始めるユーザーの皆さんやすでにつみたてnisa(積立nisa)を始めていて最終的なゴールが15年後や20年後などまだまだ先のユーザーの皆さんにとってみますと、正にうまみがある大きなビッグチャンスと言い切っても良いでしょう。
ちなみに、本記事を作成・投稿する何日か前のニュースでは、世界の富裕層が株式市場に参入したとのニュースがありましたが、一言で「金の匂い(嗅覚)」がやはり半端ないと筆者は感じました。
何が言いたいのかと申しますと、これらの富裕層は爆益を出すチャンスと踏んでいるわけですね。
筆者は、富裕層の「富」の字もありませんが、コロナショックにおける株価などの大暴落によって、別途、税金が課される特定口座で投資信託のスポット買いを行ったことは言うまでもなく、この理由は、富裕層が感じている考えと同様です。
短期目線のキャピタルゲイン(売却益)ではなく、中長期目線のキャピタルゲイン(売却益)を考えているユーザーの皆さんは、目先の目に見える部分や情報に迷うことで、せっかくの機会損失を被らないようにしていただきたいものです。
なお、つみたてnisa(積立nisa)とドルコスト平均法の関係については、以下、当事務所が公開している記事も参考にされてみても良いでしょう。
2つ目の条件 最終的なゴール(目標)が15年後や20年後などのように長期であること
つみたてnisa(積立nisa)がおすすめできる資産運用と言い切るには、最終的なゴール(目標)が15年後や20年後などのように長期であることが最低条件の2つ目です。
ちなみに、15年後や20年後というのはあくまでも大まかな目安であり、ポイントは最終的なゴール(目標)が長期であることとご理解下さい。
たとえば、筆者がつみたてnisa(積立nisa)を行っている理由は、末っ子である愛娘(現在2歳)のための教育資金作りのためであり、20年後に概算で1,200万円の資産形成ができる目標をゴールとしています。
将来、娘が大学に行くのか行かないのかをはじめ、国公立なのか私立なのか全くわかりませんが、親としては「金が無いから大学へ行かせられない」といったことだけは絶対に言わないための対策だとご理解いただきたいと思っています。
自分自身が前述したようなことがあって人生の岐路が大きく変わったと思っており、3人の子供達には、自分が自ら決めた道をしっかりと進んでもらいたいと思っています。
言葉は荒いですが、「てめえの人生、てめえで決めろ!ただ、失敗を恐れず、後悔はせずに全力でやってこい。俺はできなかったけど・・・」って想いを子供達に託しているのかもしれませんね。
話が大きく反れて申し訳ありませんが、たとえば、今回のコロナショックによって、大きく下落した投資信託の基準価額の状態で、つみたてnisa(積立nisa)で、これまでよりもたくさんの口数を保有できるということは、15年や20年という長い時間をかけて投資信託の成長をじっくり待つことができるわけです。
つまり、コロナショックによって基準価額が大きく下落した時に買付した投資信託の多くの口数は、長い時間をかけて基準価額が回復・成長した時、大きな含み益という恩恵を与えてくれるわけであり、最終的なゴールにも、ぐっと近づきやすくなります。
当然のことながら、コロナショック前に平均買付価格が高い状態で投資信託を保有してあったとしても、コロナショック後の継続的な買付をしっかりと行うことで、平均買付価格が下がるわけですから、長い時間をかけられる程、有利に事が運ぶことにつながり、最終的なゴールに近づきやすくなります。
毎日の基準価額の変動を気にしないことがポイント。
投資初心者の方への注意喚起
本ページの冒頭でもお伝えしましたが、今回のコロナショックによって「つみたてnisa(積立nisa)」を行っている人のほとんど(筆者個人としては、すべての人と言い切っても良いと考えています)は、コロナの影響によって、一時的に大きな含み損を抱えることになったと思われます。
実際に、当事務所のお客様で以下のような質問メールがありましたので、投資初心者の参考情報として質問内容と当方の回答を一部抜粋して紹介します。
佐藤さん
いつも大変お世話になっております.
コロナの影響で、つみたてNISAは主人のはマイナス6万円、私のはマイナス4万円とどんどん下がってきております。これは様子をみるより仕方ないのですよね!?
一応確認までに教えて頂きたくよろしくお願いいたします。
いつもお世話になっております。
コロナウィルスの影響によって、株価・為替等が大幅に下落しておりますが、何ら問題ございません。
つみたてNISAやiDeCoを活用した積立投資の目的は、20年後や60歳時のように長い時間をかけて資産運用を行っていくものでございます。
したがいまして、一過性の大きな乱高下があったとしても、関係なく、これまで通り「継続」した積立をすることで結構です。
追伸、現状のように大幅な下落があった時は、むしろ「チャンス」であり、より少額の価格で買付できるため、長い目で見た時、当月や翌月などに買付したものが、後々大きく効果を表すことが十分に考えられます。
くどいようですが、あくまでも「株式投資」や「FX」のように、短期売買によって大きな売却益(キャピタルゲイン)を得ることを目的とした投資ではなく、20年後や60歳時といったゴール時に大きな資産が形成されていることを目的としたものでありますので、どんと構えていただければと思います。
投資初心者の人で大きな含み損を抱えている人にとってみますと、心配になるのは当然のことです。
しかしながら、つみたてnisa(積立nisa)は、長期投資にあたり、長期投資の特徴を理解し、本ページで解説した内容をご理解いただければ、何ら心配をする必要がなく、むしろチャンスであることを再認識いただけることでしょう。
最もやってはいけないことは、含み損を抱えている状態で、保有している投資信託を売却し、損失を確定させてしまうことです。
短い期間で資産運用を行い、損失を確定させてしまうのであれば、そもそも最初からつみたてnisa(積立nisa)をはじめとした長期投資をやるべきではありませんし、不向きな資産運用です。
短期的に大きな利益を上げたいのであれば、たとえば、つみたてnisa(積立nisa)ではなくNISA口座を活用した株式投資など、向いた活用方法があるわけでありますから、つみたてnisa(積立nisa)で長期投資をする以上、目に見える含み損や含み益に一喜一憂することなく、とにかく継続した積立が重要であることを本当に理解しておく必要があります。
おわりに
本ページでは、つみたてnisa(積立nisa)は、おすすめできる資産運用なのかどうかについて、コロナショックが与えた運用状況と共に筆者の考えを紹介し解説させていただきました。
最後に、令和2年3月29日(日)時点(コロナショック中)の筆者のつみたてnisa(積立nisa)における運用状況と実際に運用損益が含み損から含み益へ転じたポイント、および現況を合わせて紹介しておきます。
コロナショックによって毎日株価などが乱高下し、これによって含み損も大きく変動することになりました。
しかしながら、何度も申し上げますように、ゴールはずっと先でありますから、これからつみたてNISAを始める予定がある人は、今がゴールに近づくための大きなチャンスと理解し、継続した積立投資を行うようにして下さい。
ちなみに、筆者は、運用損益が含み損から含み益に転じたことに対して、特別に何か変わったことをしたわけではなく、これまでお伝えしたことを「ただ継続して毎月積立をしただけ」です。
追伸、こちらは余談であり、本記事の解説から外れますが、iDeCo(個人型確定拠出年金)において、元本変動型にあたる投資信託を活用した資産運用を行っている場合も考え方は本ページの内容と基本的に同じです。
そのため、ゴールまでの期間がどのくらいあるのかを再確認した上で、スイッチングやリバランスを適切に行うことが望ましいでしょう。
なお、つみたてNISA(積立nisa)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を投資信託を活用して運用する場合、「投資信託の選び方」も極めて重要になります。
この理由は、最終的に資産形成される金額や運用損益に直接的な影響を与えることになるからです。
そのため、つみたてNISA(積立nisa)やiDeCo(個人型確定拠出年金)において、投資信託を活用した資産運用を行うのであれば、どのような投資信託を選ぶのが望ましいのか基本的な知識を身に付けておくことが大切だと言えます。
投資初心者の人で、よくわからない人は合わせて読み進めてみることをおすすめします。
本ページがためになった人や良かったと感じていただけた人は「いいね」や「SNS」で発信していただけましたら励みになります。
最後に、当事務所では、つみたてNISAを始めとした資産運用や将来の資産形成についてのご相談を全国対応しております。
つみたてNISAをはじめとした、疑問や悩みがある場合、合わせて当事務所に対するご相談も検討いただけましたら幸いです。