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つみたてNISA(積立nisa)の注意点とポイントを独立系ファイナンシャルプランナー(FP)がわかりやすく解説します

本ページでは、これからつみたてNISA(積立nisa)を始めたいと考えている方を対象に、つみたてNISA(積立nisa)の注意点とポイントについて、独立系ファイナンシャルプランナー(FP)がわかりやすく解説していきます。

はじめに、本ページは、すでにつみたてNISA(積立nisa)の制度について大まかに知っていることを前提に解説を進めていきますので、そもそも、つみたてNISA(積立nisa)って何?といった疑問をお持ちの方は、まずは、以下、当事務所が公開しているつみたてNISA(積立nisa)の制度について解説をしている記事に目通しされてから本ページを読み進めていただくようお願い致します。

つみたてNISA(積立 nisa)とは?制度の特徴とおすすめの活用方法も合わせて紹介

つみたてNISA(積立nisa)は、長い時間をかけて将来必要になると考えられる子供の教育資金やご自身の老後資金をはじめ、場合によっては、住宅購入資金といった、いわゆる人生三大資金を無理なく貯められる投資制度です。

つみたてNISA(積立nisa)に限ったことではありませんが、制度や物、サービスには、メリットやデメリットといった特徴をはじめ、注意点が必ずあるわけですが、本ページでは、つみたてNISA(積立nisa)の注意点とポイントについて、これからつみたてNISA(積立nisa)を始めたいと考えている方を対象にわかりやすく解説を進めていきます。

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目次

つみたてNISA(積立nisa)の9つの注意点

つみたてNISA(積立nisa)を始める前に知っておきたい注意点は、実に多くあるのですが、以下、個別にわかりやすく解説を進めていきます。

ちなみに、物事を始める上で最初が肝心と言われることがありますが、つみたてNISA(積立nisa)も同様のことが言えますので、注意点とポイントをしっかりとご確認いただければと思います。

つみたてNISA(積立nisa)を始めるには、日本に住んでいる人で年齢が20歳以上でなければならない

つみたてNISA(積立nisa)は、誰でも始められるわけではなく、つみたてNISA(積立nisa)を始める年(口座開設する年)の1月1日現在で20歳以上である必要があります。

また、日本に住んでいる人が、つみたてNISA(積立nisa)を始めることができる対象となっているため、あまり多い例とは言いにくいのですが、海外に住んでいる日本人はつみたてNISA(積立nisa)を始めることはできません。

つみたてNISA(積立nisa)を始めるための口座は1人1口座までしか開設できない

つみたてNISA(積立nisa)を始めるためには、証券会社や銀行、インターネット証券会社を通じて「NISA口座(つみたてNISA(積立nisa)を兼ねます)」を開設する必要があるのですが、1人1口座までしか開設することはできません。

つまり、証券会社と銀行や銀行とインターネット証券会社に同時にNISA口座を開設することはできないことを意味するため、最初にNISA口座を開設する金融機関選びをしっかりと行っておくことが極めて重要になります。

なお、NISA口座を別の金融機関に変更することも可能ですが、変更手続きの時期が毎年秋ごろと決まっており、いつでもすぐに変えられるわけではない点にも注意が必要です。

つみたてNISA(積立nisa)とNISAは、いずれか一方の選択で活用しなければならず、併用することはできない

つみたてNISA(積立nisa)を始めるために開設したNISA口座は、NISAおよびつみたてNISA(積立nisa)を兼用した専用口座となっており、NISA、または、つみたてNISA(積立nisa)のいずれかを選択して活用しなければならず、両方の制度を併用することはできません。

つみたてNISA(積立nisa)は、金融庁が指定した投資信託またはETF(上場投資信託)を積立方式で買付する方法に限られている

つみたてNISA(積立nisa)で資産運用をするには、投資することができる金融商品が、金融庁が指定した投資信託またはETF(上場投資信託)に限られており、かつ、買付方法は、積立方式に限られています。

そのため、たとえば、買付したい金融商品が値下がりしていて「今、買付したい」といったことはできず、毎月あらかじめ決めた一定の期日でなければ買付することができない決まりになっています。

つみたてNISA(積立nisa)で積立することができる投資金額は、年間40万円まで

つみたてNISA(積立nisa)で積立することができる投資金額は、1月1日から12月31日までの1年間で40万円までと決まっており、この金額を超えて積立投資をすることができません。

単純計算となりますが、月額に換算しますと、約33,333円となるわけですが、たとえば、ボーナス(賞与)などを併用して、年間40万円までフルに非課税投資枠を活用することも可能になっています。

つみたてNISA(積立nisa)で活用しなかった非課税投資枠の再利用や繰越はできない

前項では、つみたてNISA(積立nisa)の非課税投資枠は、年間40万円であることをお伝えしましたが、仮に、1年間の投資枠に活用しなかった余り分があったとしても、翌年に繰り越して使用することはできません。

たとえば、令和元年につみたてNISA(積立nisa)をはじめ、毎月2万円ずつ年間で24万円を積立投資をした場合、40万円から24万円を差し引いた16万円分の非課税投資枠を翌年(令和2年)に繰り越すことはできないといったイメージです。

そのため、つみたてNISA(積立nisa)を活用して大きなお金を貯めながら増やすには、この40万円の非課税投資枠をいかにフル活用できるのかが大きなポイントになります。

ちなみに、つみたてNISA(積立nisa)における非課税投資枠の再利用というのは、年の途中で保有している投資信託やETF(上場投資信託)を売却することによって、活用した非課税投資枠を指しており、たとえば、保有している投資信託の内、10万円分を年の途中で売却して現金化したとします。

この時、現金化した10万円は、つみたてNISA(積立nisa)の非課税投資枠から活用されることになるため、この年に積立することができる金額は、30万円まで(40万円-10万円)になるといった意味です。

つみたてNISA(積立nisa)は、途中で保有している投資信託などを売却して現金化することによって、非課税投資枠を活用してしまうことになる点に注意が必要であり、とにかく、長い時間をかけてコツコツお金を積み上げて大きくすることが、つみたてNISA(積立nisa)でお金を貯めながら増やすために必要な重要ポイントと言えます。

つみたてNISA(積立nisa)で資産運用をした損失は損益通算することができない

つみたてNISA(積立nisa)で資産運用をした結果、損失が確定した場合、その損失を他の投資の売買益や配当金と損益通算することができません。

損益通算とは、本ページの場合、投資で得た利益と損失を相殺することを言い、たとえば、株式投資で100万円の利益が生じ、投資信託で20万円の損失が生じた場合、この利益と損失を相殺(プラスマイナス)し、年間の利益は80万円(100万円-20万円)とするイメージです。

なお、つみたてNISA(積立nisa)では、保有している投資信託またはETF(上場投資信託)を売却して現金化した際、仮に、損失を被った場合、その損失は、「そもそもなかったものとする=0円とする」ことになっています。

したがって、たとえば、株式投資で100万円の利益が生じ、つみたてNISA(積立nisa)で20万円の損失が生じた場合、この利益と損失を相殺(プラスマイナス)することができないため、年間の利益は100万円(100万円-0円)となります。

ちなみに、つみたてNISA(積立nisa)以外の投資をしていない人であれば、特に気にするような注意点とは言えないでしょう。

つみたてNISA(積立nisa)は、選んだ投資商品によって運用損益が変わる

つみたてNISA(積立nisa)は、選んだ投資商品によって運用損益が変わることになります。

また、つみたてNISA(積立nisa)で投資をすることができる商品は、金融機関によって取り扱い本数が大きく異なっているため、投資商品選びとつみたてNISA(積立nisa)を始める金融機関選びが、つみたてNISA(積立nisa)で資産運用を成功させるための重要ポイントになります。

つみたてNISA(積立nisa)は、スイッチング(投資商品の入れ替え)をすることができない

つみたてNISA(積立nisa)は、スイッチング(投資商品の入れ替え)をすることができません。

たとえば、A投資信託を毎月20,000円ずつ5年間に渡って積立した場合、A投資信託を120万円分保有していることになります。

この時、A投資信託の運用成績が悪く、A投資信託よりも優れた運用成績であるB投資信託へ120万円分を入れ替えすることはできないといったイメージです。

そのため、つみたてNISA(積立nisa)を始める場合、最初の投資信託選びが極めて重要なポイントになり、すでに解説をした運用損益に大きな影響を与えることにつながります。

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つみたてNISA(積立nisa)を始める前に押さえておきたい成功するためのポイント

つみたてNISA(積立nisa)の注意点を9つ紹介させていただき、合わせてポイントもお伝えさせていただきました。

ここからは、これからつみたてNISA(積立nisa)を始める方が、将来、大きなお金を貯めながら増やすための、いわば、成功するためのポイントを紹介します。

つみたてNISA(積立nisa)で成功するために守るべきこと

筆者が考える、つみたてNISA(積立nisa)で成功するために守るべきことは、以下の通りです。

1.長い時間をかけて、とにかく積立を継続すること

2.つみたてNISA(積立nisa)を始める目的と目標金額を明確にしておくこと

3.つみたてNISA(積立nisa)を始める金融機関と投資商品選びを間違えないこと

4.できる限り、年間40万円までの非課税投資枠をフル活用すること

上記4つを守るだけで、つみたてNISA(積立nisa)で成功すると筆者は本気で考えておりますし、実際、筆者もそのようにして、資産運用を行っています。

つみたてNISA(積立nisa)で成功するには「シンプル」にお金が貯まることを考える必要がある

筆者は、つみたてNISA(積立nisa)での資産運用を考える上でいつも思うことがあるのですが、たとえば、多くのサイトの中では、「ポートフォリオ」やら「アセットアロケーション」やら「リバランス」など、専門用語がずらりと並べられて何が何だかわからないといったユーザーの皆さんも多いのではないかと率直に感じています。

そもそものお話になるのですが、つみたてNISA(積立nisa)は、投資を行ったことがない、いわゆる投資初心者でも長い時間をかけて大きな資産形成(お金)を貯めながら増やすことができる投資制度にあたります。

つまり、「シンプル」で「わかりやすい」のが、つみたてNISA(積立nisa)の大きな特徴であるはずなのにも関わらず、なぜか難しくしていることに疑問を感じてしまうわけです。

たとえば、積立預金をイメージしていただきたいのですが、毎月2万円ずつ20年間に渡って、継続して積立預金を行うとすれば、480万円の積立預金に加えて利息が受け取れます。

つみたてNISA(積立nisa)は、預金が、投資信託またはETF(上場投資信託)に変わるだけであり、毎月2万円ずつ20年間に渡って、継続するところまでは全く一緒です。

要は、素直に、これを長い期間に渡って継続すれば、勝手にお金が貯まりながら増えていくといったシンプルなものなのです。

そのため、このシンプルな部分を度外視し、やれ、「ポートフォリオ」やら「アセットアロケーション」やら「リバランス」を考えることが必要っていうことは、ちょっと話が進み過ぎていると思うわけです。

また、つみたてNISA(積立nisa)の運用成績というのは、ある程度の期間が経過しないと見えてこないわけでありますから、上記の専門的なことを知る前に、基本となるシンプルなことをしっかりと守るのが成功への近道だと筆者は考えます。

何事も基本が大事!じゃないですか?

ちなみに、ポートフォリオは「資産配分=投資配分」、アセットアロケーションは「投資戦略」、リバランスは「運用が思ったように伴わない場合の調節・調整」を意味します。

おわりに

つみたてNISA(積立nisa)の注意点とポイントを解説させていただきましたが、改めて思うことは、つみたてNISA(積立nisa)は、シンプルに考えることが成功への近道です。

ちなみに、筆者の場合、子供の教育資金を貯めるために、毎月33,300円の積立を行い、概ね1,000万円を超える資産をつみたてNISA(積立nisa)で形成するといった目的の下、楽天証券に口座を開設し、手数料の低い海外株式の投資信託で資産運用を行っています。

こんな感じで、シンプルに考え、後は、コツコツ継続して積立するだけで良いわけです。

なお、これは私立大学への進学を想定したものとなりますが、仮に、国公立の大学などへ進学し、お金が余った場合は、子供の結婚資金や将来の老後資金などに回すこともできるといった柔軟に考えることで、長い時間をかけてお金を貯めながら増やす意義がより効果的、かつ、効率的になると考えますが、ユーザーの皆さんはいかがでしょうか?

また、教育資金が足りないのであれば、教育ローンや奨学金の活用も検討すれば良いわけであり、後は、家計のキャッシュフロー(お金の流れ)が円滑になるように、検討し調整をかけてやれば良いだけですので、そんなに難しく頭を悩ます必要なんてないと思っています。

少なくとも、将来のお金について考え、行動することができれば、お金の不安を抱えることなくより豊かな人生を歩みやすいと筆者は考えています。

つみたてNISA(積立nisa)は、まとまったお金が手元に無くても始められ、かつ、少額からでも始められるため、まずは、本ページで解説した注意点やつみたてNISA(積立nisa)の制度を再確認した上で、時間をお金に変える考え方を持つ発想を身に付けておきたいものです。


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