先日、お取引させていただいている業者様に対して、つみたてNISAや個人型確定拠出年金(iDeCo)といった国の制度を活用してお金を貯めながら増やすといった考えを持つことの大切さについて、記事を作成し寄稿させていただきました。
当事務所の情報発信におきましても、以前、つみたてNISAを活用してお金を貯めながら増やす考えを持とうといった内容を発信させていただきましたが、なかなか反響があったことに対して率直にFPという立場で発信できて良かったなと感じました。
ところでユーザーの皆さまは「貯蓄から投資へ」といった政府のスローガンを覚えておられるでしょうか?
おそらく何か見聞きしたことがあるといった方もおられると思いますが、政府は、従来掲げていた「貯蓄から投資へ」といったスローガンを「貯蓄から資産形成へ」といったスローガンに変更したのですが、私個人の主観として「とてもわかりやすくなった」と思っています。
つまり、将来に備えて貯蓄している預金などの資産を金融商品へ投資したらどうですか?といった発信の仕方から、預金などの資産をつみたてNISAや個人型確定拠出年金(iDeCo)といった制度を活用しながら将来のお金の準備(資産形成)をしませんか?といったPRの仕方に変更したという解釈をすることができます。
これって、多くの世帯の皆さんにとって、とてもわかりやすく魅力的ではないでしょうか?
これらの制度は、現時点では残念ながらまだまだ多くの方に認知されている感じはしておりませんが、FPという立場としては、これらの制度は、非常に優れた制度であり、お金を貯めながら増やすことができる資産形成方法であるからこそ、多くの世帯の方には、つみたてNISAや個人型確定拠出年金(iDeCo)といった制度をもっと広く知っていただきたいですし、積極的に活用して欲しいと本当に感じています。
せっかくですので、これらの制度に関係する興味のあるデータを見つけましたので、参考程度に少しだけ紹介させて下さい。
投資は資産形成に必要だと思うが投資を行わない理由
当事務所が、自信を持っておすすめする「つみたてNISA」や「個人型確定拠出年金(iDeCo)」といったどちらの制度にも共通していることは、長い時間をかけて少しずつお金を積み立てながら、将来のお金を貯めながら増やす(資産形成する)といった多くの世帯が抱えているニーズに対応できる国の制度になります。
これらの制度を活用して資産形成を行うことは、当事務所と致しましても、今後ますます必要だと思う一方で、これらの制度を活用しない理由が、金融庁のアンケート調査の結果として公表されておりましたので、参考までに紹介しておきます。
※図はクリックで拡大表示が可能です。
出典 金融庁 説明資料 平成29年2月3日より引用
投資は資産形成に必要だと思うが投資を行わない理由として「まとまった資金がないから」といった理由が最も多く、これは、少額投資を知らない表れであることが確認できます。
つみたてNISAは、金融機関によっては100円から始められますし、個人型確定拠出年金(iDeCo)は、5,000円といった少額から始められるため、手元にまとまったお金が無くても誰でも無理なく始められ、いわゆる、株式投資のようにまとまったお金を用意しておく必要がないのです。
また、「どのように有価証券を購入したら良いのかわからないから」「取引を行う時間的ゆとりがないから」といった理由から毎月少額のお金を自動的に資産運用するといった積立投資を知らないといった理由もアンケート調査から明白になっていることがわかります。
つみたてNISAや個人型確定拠出年金(iDeCo)は、少額から誰でも始められ、かつ、ご自身の懐具合に合わせて毎月の金額と積立日を自由に設定することができるため、いわば「ほったらかし」で資産運用をすることが可能です。
後は、ほったらかしたお金が、長い時間をかけて勝手に増えてくれるといったものが、つみたてNISAや個人型確定拠出年金(iDeCo)の大きな魅力なのです。
もちろん、毎月の貯蓄はとても大切なことでありますから、それを止めるといったことではなく、一部の預金のお金をつみたてNISAや個人型確定拠出年金(iDeCo)に回すことで効率的にお金を貯めながら増やすことができ、かつ、これらの制度で享受できる税優遇が受けられるわけでありますから、これほどうまい話は他にないわけなのです。
語弊のある表現になってしまうのかもしれませんが、「無知程、損なものはない」と言われることもあり、そんな私も間違いなくこの仕事をしていなければ、これらの制度に気付き、活用することはなかったでしょう。
しかし、今、この内容を目通ししていただいているユーザーの皆さまで、初めて知ったという方にとっては正に「朗報」になると当事務所では思っています。
つみたてNISAや個人型確定拠出年金(iDeCo)は、長い時間をかけて大きなお金が育つものでありますから、興味のある方やこれらの制度を活用して資産形成をしたい方は、できる限り早い内から始めてみることをおすすめ致します。
ノックドア商品として使われる可能性に注意しよう
ノックドア商品をわかりやすく例えると、「学資保険」が最もわかりやすいでしょう。
将来の子どもの教育資金を考えて、学資保険の相談に行った際、他の生命保険を見直ししたり、本来目的の学資保険に加入しなかったといった例がよくありますが、つみたてNISAや個人型確定拠出年金(iDeCo)もノックドア商品として使われてしまう懸念があると言われています。
つまり、つみたてNISAや個人型確定拠出年金(iDeCo)の相談に金融機関へ行ったら、それよりも良いものがあるといって本来の目的とはかけ離れた金融商品を販売されたり、手数料が高い金融商品を販売されたりする危険性が少なからずあることを意味しています。
つみたてNISAや個人型確定拠出年金(iDeCo)で資産形成をしたいのであれば、仮に、金融機関に足を運んで相談にいった際、別の商品を勧められた時は、きっぱりと断ることやいったん持ち帰って他の方へセカンドオピニオンをしてみるなど、自助防衛が少なからず必要になってくるでしょう。
おわりに
つみたてNISAや個人型確定拠出年金(iDeCo)といった国の制度は、極端な例えですが、どんな世代を問わず、どんな立場であったとしても使い方1つで恩恵が受けられる制度です。
もちろん厳密に考えた時、制度を利用できる方、利用できない方などといった判定をしていかなくてはならないこともありますが、どちらの制度も活用ハードルが高くなく、基本的に誰でも始められるものになります。
特に、現役世代の皆さんには、1人でも多くの方がこれらの制度について興味を持ち、効率的な資産形成に励んでいただきたいものと当事務所では思っています。
お時間のある方は、当事務所が公開しているつみたてNISAの考え方について書いているものもありますので、お目通ししていただければと思います。
参考 つみたてNISAで「お金を貯めながら増やす」考え方を持とう
大変酷な言い方ですが、今後ますます日本は衰退していくでしょう。
そんな国で人生を送らなければならないからこそ、私たちは自分の身を守る策を取っておく必要があるのではないでしょうか?