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住宅(マイホーム)など居住用不動産(居住用財産)を売却したときの【3,000万円の特別控除の特例】について【FPブログ】

今回のFPブログは、住宅(マイホーム)など居住用不動産(居住用財産)を売却したときの【3,000万円の特別控除の特例】についてです。

昨日(令和4年6月25日)に、土地や建物を売却した場合における税金の取り扱いについてブログへ公開しました。

この中で、土地や建物を売却したときは「譲渡所得」になること、譲渡所得の計算式に特別控除額があることなどを紹介しています。

今回紹介する住宅(マイホーム)など居住用不動産(居住用財産)を売却したときの【3,000万円の特別控除の特例】は、内容を知り、賢く活用することで大きな節税効果が得られます。

また、昨日公開しているブログと関連性が高いことから、当事務所としては、合わせて読み進めていただくことをおすすめしたいと思い、記事作成をした次第です。

(ブログの内部リンクは最後にご案内します)

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住宅(マイホーム)など居住用不動産(居住用財産)を売却したときの【3,000万円の特別控除の特例】とは

はじめに、住宅(マイホーム)など居住用不動産(居住用財産)を売却したときの【3,000万円の特別控除の特例】について、国税庁のWEBサイトから引用して紹介します。

マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。

これを、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。

出典:国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例 概要より引用

上記の解説を簡単にまとめると以下の通りです。

・マイホーム(居住用財産)を3,000万円以下で売却した場合、本特例を活用することで税金(所得税・住民税)がかからない

・マイホーム(居住用財産)の所有期間を問われることはない

土地や建物など、マイホーム(居住用財産)を売って大きなお金を得た場合、税金について気になる人は多いと思います。

しかしながら、この特例を使うことで3,000万円までの売却に対して税金がかかることはありません。

つまり、これを知るだけでも、シンプルでわかりやすく、節税対策として活用できることがイメージできるのではないでしょうか?

佐藤 元宣
佐藤 元宣
この特例を活用するためには「適用要件」を満たしていなければなりません。そのため、次項ではこれについて紹介していきます。

3,000万円の特別控除の特例を受けるための要件

3,000万円の特別控除の特例を受けるための要件は、大きく「6つ」あり、これらをすべて満たしていなければなりません。

(1)自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

(2)売った年の前年および前々年にこの特例(「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」によりこの特例の適用を受けている場合を除きます。)またはマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。

(3)売った年、その前年および前々年にマイホームの買換えやマイホームの交換の特例の適用を受けていないこと。

(4)売った家屋や敷地等について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。

(5)災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

(6)売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと。

出典:国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例 特例の適用を受けるための要件より引用

上記、国税庁の解説について、要点を私なりに大まか、かつ、簡単にまとめます。

住宅(マイホーム=建物)を売却する必要がある。もしくは、住宅(マイホーム=建物)と、住宅の土地または借地権を一緒に売却する必要がある

・売却する住宅などは、住まなくなった日から3年を経過するまでに売却しなければ本特例は使えない(正式には3年経過する日の年の12月31日まで)

・住宅などを売却した年の1年前もしくは2年前に、ほかの特例制度を利用していない必要がある

・火災や自然災害などで建物が無くなった場合、住まなくなった日から3年を経過するまでにその土地を売却しなければ本特例は使えない(正式には3年経過する日の年の12月31日まで)

・売主が本人としたとき、買主(買い手)は、親族などの特別な関係でない必要がある(無関係な不動産業者などに買い取ってもらう場合、問題なし)

佐藤 元宣
佐藤 元宣
3,000万円の特別控除を適用するためのハードル(要件)は低く活用しやすい特例です。ただし、3年以内に売却といった期間には「要注意」といえます。

3,000万円の特別控除の特例にかかる注意点

3,000万円の特別控除の特例にかかる注意点として、すでに紹介しましたように「3年以内に売却(厳密には異なる)」が1つとしてあげられます。

ただし、これ以外にも注意点があるため、ここでは簡単に紹介しておきます。

住宅(マイホーム)を取り壊した場合

これまで住んでいた住宅(建物)または住まなくなった住宅(建物)を取り壊して、かつ、本特例を適用するためには、以下2つの要件をいずれも満たしていなければなりません。

1.その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

2.家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。

出典:国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例 特例の適用を受けるための要件より引用

まず、住宅を取り壊すということは、建物が無くなり、土地だけが残ることになります。

つまり、上記、国税庁の解説とは、土地を売却して本特例を活用する場合の注意点といえます。

1つ目の注意点は、土地の売買契約が住宅(建物)を取り壊した日から1年以内に締結されていなければなりません。

この要件を考慮しますと、あらかじめ土地を売却することが交渉などでまとまっていなければ要件を満たしにくいといえます。

2つ目の注意点として、更地になった土地を有効活用したいと考える人も多いと思います。

しかしながら、その更地になった土地を貸駐車場などに有効活用してしまった場合、本特例は使えないことになりますので注意が必要です。

佐藤 元宣
佐藤 元宣
住宅(マイホーム)をどのように売却するのか?によって特例の取り扱いが異なるため、要注意です。

その他の注意点(適用除外)

その他の注意点として、国税庁では、3,000万円の特別控除の特例について、以下のような場合、適用除外(適用できない)こととしています。

(1)この特例の適用を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋

(2)居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋、その他一時的な目的で入居したと認められる家屋

(3)別荘などのように主として趣味、娯楽または保養のために所有する家屋

出典:国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例 適用除外より引用

佐藤 元宣
佐藤 元宣
日常生活をするために、長く住んでいた住宅であれば何ら問題は生じません。

3,000万円の特別控除の特例を適用するための手続きと必要書類

3,000万円の特別控除の特例を適用するためには、所得税の確定申告をしなければなりません。

加えて、作成した所得税の確定申告書のほか、本特例を適用する際に必要な【譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]】を添えて税務署へ提出する必要があります。

佐藤 元宣
佐藤 元宣
e-taxを使うと、特例が適用できるかどうかが判定できるほか、内訳書も作成することができて便利です。

記事作成を終えて独立系FPとして感じたこと

今回のブログは、以前公開した以下のブログ内容に関連性が高いことを理由に作成・公開したものです。

関連記事:佐藤元宣FP事務所 本人名義の土地や建物を売却(譲渡)したときの税金と取り扱いについて【1500文字くらいのFPブログ】

ファイナンシャルプランニングを考えたとき、同様のものとして「相続で取得した土地や建物を売却した場合」における税金の取り扱いも気になる人は多いと思います。

結論から申し上げますと、こちらにつきましても、特例制度があります。

そのため、今回のブログ内容に関連性の高い内容として、次は、「相続で取得した土地や建物を売却した場合」における税金の取り扱いをFPブログで公開していきたいと感じています。

なお、上記内容について、公開完了しておりますので、以下リンクより、合わせて読み進めていただくことをおすすめします。

関連記事:佐藤元宣FP事務所 相続で取得した居住用財産(空き家)を売却したときの税金と特別控除(特例)の取り扱いについて【FPブログ】


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