本ページでは、当事務所のリピーターのお客様から新たなお客様の声をいただいたというPRをしています。
はじめに、今回いただいたお客様の声は、すでに当事務所のWEBサイト上で公開をしておりましたが、PR記事を作成・公開するまでの時間的な余裕が中々確保することができませんでした。
しかしながら、当事務所では、お客様の声としてご協力いただいた「お客様の善意」は、必ずPR記事として投稿し、その恩義に報いるような形を取らせていただいております。
実際、今回のお客様の声は、令和2年5月19日(火)にいただいたものであり、約1週間という期間が空いてしまったことに対して大変申し訳なく思っているのですが、本ページでは、実際にいただきましたお客様の声の紹介と筆者個人が感じていることを綴っていきたいと思います。
目次
新たに掲載したお客様の声
まずは、新たに掲載したお客様の声を以下、そのまま紹介させていただきます。
私としては何回もお世話になっていてもうリピーターとなっています。
2ヶ所以上で給与所得があり令和元年度の確定申告が必要となっていた中、今回の私の場合稀なケースだったためその解釈に納得できない箇所があり少し行き詰っていました。
結論から言うと、数十万円の還付金を取り戻すことができました。
以下、「お客様の声」ということでポイントをいくつか。
① 総評:さすがの一言です。相談してよかったです。
② 税務としては比較的新しく、改正も加わっているe-Taxのこともよく知っておられました。日々知識をブラッシュアップされている証拠です。
③ <相談者側としての心得>これは「お客様側」としてスムーズに相談するために私が心得たいと思っていることです。相談者である私は、研鑽のためにFPの内容を少しですが、かじっています。FPは場合によるのですが、様々な関連業法(税理士法や弁護士法など)を遵守する必要があり、仮定や抽象的説明にとどめなければなりません。
そこで、例えば源泉徴収仕組みが曖昧で確認することが目標の人であれば、“Aさんという月収20万円の人がいたとして、この時は~。
では、Bさんという月収15万円の人は~で、30万円のCさんはであれば~と考えられるか?“というような例をいくつか考えておけば、スムーズに相談が進むと思います。
なぜなら、根本的に相談者の勘違いがあればFP側で察することができるからです。
冒頭でも述べたように私は事例が特殊でしたので説明が煩雑になってしまいましたが、私のつたない仮定にも理解を示してくださり、長い時間かかったにも関わらず丁寧に対応していただけました。
上のように書くと初めて相談する方は少し厳粛な雰囲気を感じられてしまうかもしれませんが佐藤さんは非常に人格者ですので、安心です。
こういうことを言うと「そんなことないですよ~」という本人の声が聞こえてきそうです。
それくらい気さくな方でもありますので、もし迷っていることがある人はとりあえず行動してみてはいかがでしょうか?きっと損はしませんよ!
参考 佐藤元宣FP事務所 お客様の声 秋田県秋田市 K様 20代男性 業務内容 FP相談(スポット型)
今回の相談案件は、所得税にかかるものでありましたが、1月1日から12月31日までの1年間を通じて年の途中で職場を退職した場合などの税務は、時として多額の税金が還付される場合があります。
もちろん、ケース・バイ・ケースであることが大前提であるほか、1年間の年収や実際に得た所得の内容、その他、様々な事情が考慮されることになります。
そのため、実際にお話や事情を聞き、お客様の置かれている状況や立場をしっかりと確認する必要があるわけですが、特に、結婚をして子供がいる場合などは、配偶者控除や配偶者特別控除をはじめ、扶養控除などといった所得控除にも影響を与えることも十分に考えられます。
つまり、ご自身だけではなく、たとえば、同居をしている家族の納めるべき税金(所得税および住民税など)にも影響を与えることがあるわけです。
あくまでもこちらは筆者個人の見解であり、つい先日、ご相談に来られた別のお客様にもお伝えさせていただいたのですが、「世帯全体で考えた時の所得控除の適用忘れ」や「不利な所得控除の適用」が極めて多く、一言でロスが生じている世帯が多い!
お客様!プロスペクト理論をご存知ですか?
筆者は、性格的に白黒はっきりしているタイプの人間でして、何だかわけのわからない横文字を並べたり、〇〇理論みたいな知的ぶったことを言うのがものすごく嫌いです。(ほんと聞いててイラっとしちゃうんですよね・・・)
そんな自分があえて、ユーザーの皆さん1人ひとりがご自身や家族のことを再確認するきっかけになればといった想いから、ほんの少しだけプロスペクト理論について簡単にお伝えさせていただきます。
プロスペクト理論とは
プロスペクト理論とは、ざっくり一言で「損失回避の心理」のことを言います。
プロスペクトとは英語のProspectのことであり、期待や予想、見込みなどのニュアンスを持つ。
プロスペクト理論はリスクを伴う状況下での判断分析として、米カーネマン氏らが1979年に公表した論文のタイトル名。
プロスペクト理論により、従来の投資効用理論では説明のつかない投資家の判断行動が現実に即した形で解明された。例えば、投資家は収益よりも損失の方に敏感に反応し、収益が出ている場合は損失回避的な利益確定に走りやすい。
一方、損失が出ている場合はそれを取り戻そうとしてより大きなリスクを取るような投資判断を行いやすいとされる。
プロスペクト理論は行動ファイナンスや行動経済学と呼ばれる心理学の要素を応用した新たな経済学の分野を切り開いたとして、同氏は2002年のノーベル経済学賞を受賞している。
出典 野村証券 証券用語解説集 プロスペクト理論(ぷろすぺくとりろん)より引用
上記、プロスペクト理論の解説を読み進めますと、筆者は何を言いたいのか、今回のお客様の声と何が関係しているのか全くわからないと思われるユーザーの皆さまがほとんどでしょう。
そのようなユーザーの皆さまへ以下、2つの質問をします。
質問1.あなたはどちらを選びますか?
1.50万円が無条件で得られる
2.「あたり」と「はずれ」の2本が入ったくじを引き、「あたり」の場合は、100万円を得られるが、「はずれ」を引いた場合は、何も得られない
質問2.あなたはどちらを選びますか?
1.100万円の借金を抱えており、無条件で借金が50万円に減額される
2.「あたり」と「はずれ」の2本が入ったくじを引き、「あたり」の場合は、100万円の借金はすべて無くなるが、「はずれ」を引いた場合は、借金の額が変わらない
2つの質問から考えられることとは?皆さんはどちらを選びましたか?
人の性格や考え方はそれぞれですが、上記2つの質問について、質問1では「1」を選び、質問2では「2」を選んだ人がおそらく圧倒的に多いのではないでしょうか?
仮に、上記の答えといずれも一致した人は、正にプロスペクト理論にバッチリはまっている人と言えます。
先に紹介したプロスペクト理論の解説をもう一度見てみましょう。
例えば、投資家は収益よりも損失の方に敏感に反応し、収益が出ている場合は損失回避的な利益確定に走りやすい。(質問1の場合)
一方、損失が出ている場合はそれを取り戻そうとしてより大きなリスクを取るような投資判断を行いやすいとされる。(質問2の場合)
実のところ、質問1での「期待値」は、いずれも50万円と同額であり、質問2での「期待値」は、いずれも▲50万円と同額です。
つまり、期待値は同じであるのにも関わらず、利益を得られる局面では、確実に利益を得られる方を選択し、損失を回避する局面ではギャンブル性の高い選択をしてしまう心理になる人が多いといったことになります。
人の心理でありますから、致し方のないことだと思いますが、「できる限り損失回避をしたい」といった表れであることがわかります。
Kさんの事例でプロスペクト理論を考えてみましょう
プロスペクト理論の大まかな概要がわかったところで、もう一度、Kさんの声を見ていきます。
私としては何回もお世話になっていてもうリピーターとなっています。
2ヶ所以上で給与所得があり令和元年度の確定申告が必要となっていた中、今回の私の場合稀なケースだったためその解釈に納得できない箇所があり少し行き詰っていました。
結論から言うと、数十万円の還付金を取り戻すことができました。
当事務所に対して相談報酬を支払うことは、Kさんにとって「ロス=損失」にあたると考えられます。
その一方で、Kさんが置かれている立場や状況は稀なケースであったこともあり、場合によっては、当事務所に対して支払う報酬よりも多くのロスが発生したり、多くのリターンを得られる期待値が低下することも考えられます。
この時、Kさんは、そのままほったらかしにせずに、当事務所に対して相談報酬を支払って行き詰まった問題を解決する選択肢を選んだことになります。
その結果、数十万円の還付金(リターン)を得ることとなり、相談報酬を支払ったロスよりも多くのリターンが得られました。
また、無意識に期待値の高い選択肢を選んでいたと考えることもできそうです。
とはいえ、当事務所としては、リピーターのお客様ということもあり、置かれている立場や状況があらかじめわかっていたため、結果論ではあるものの期待値が高くなる選択肢を案内することができたと考えています。
長期目線でお金のことを考えた時の目に見えづらいロスを考える
プロスペクト理論は、損失回避の心理のことを言いますが、この損失回避の心理を解消する対策方法は、はたしてあるのでしょうか?
損失回避をする心理は、人間らしい心理であることが考えられ、自ら意識的に解消するのは難しいと思われますが、ファイナンシャルプランニングの分野から考えますと、プロスペクト理論の解消対策は、やはり「高い期待値を追うことに尽きる」のではないかと思っています。
たとえば、つみたてnisaやiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用した長期の積立投資は、長い時間をかけて大きな資産形成をすることができる制度です。
その一方で、将来の資産形成が必ず約束されたものではないこと、含み損を抱えてしまうリスクがあることなどといったデメリットがあります。
しかしながら、これまでのプロスペクト理論の解説と期待値の考え方を考慮しますと、たとえば、以下のような選択肢を選ぶ場合、どちらがより得策なのか簡単に理解できるはずです。
1.毎月1万円ずつ積立預金を20年間行い、20年後の資産形成金額が100%の確率で245万円となる
2.毎月1万円ずつ積立投資を20年間行い、20年後の資産形成金額が90%の確率で1,000万円となるが、10%の確率で235万円(元本割れ)となる
ユーザーの皆さんならどちらを選びますか?
当然のことながら、「2」を選択するのが望ましいですし、かつ、10%の損失リスクを自らの資産運用や資産運用の仕方で対策することができるとしたらどうでしょうか?
損失リスクがさらに低くなるわけでありますから、さらにリターンを得られる期待値は大きく増すことにつながりますよね?
損失を被ってしまうかもしれないといった目先の部分に捉われることによって、大きな期待値を失っている可能性があることに気が付けることで、ご自身が思い描いているライフプランがしっかりと実現できる可能性が高くなる場合があると考えられます。
おわりに
うんちくが長くなってしまいました。
プロスペクト理論って何か多くの人の心理にはまりすぎてておもしろくないですか?
すでにお伝えしましたように、プロスペクト理論は、決して投資の世界だけの考え方ではなく、個人のファイナンシャルプランニングを考える意味においても重要性の高い考え方だと筆者は思っています。
最後は、当事務所の宣伝のような形となってしまいますが、ご自身がわからなかったり、気づけないお金のロスがある場合、それが長く続けば続くほど逸失利益は多くなってしまいます。
今回のKさんのように、ご自身の期待値を追って、必要経費と割り切るロス(相談報酬)は、結果としてロス以上のリターンを生み出すきっかけになるのではないでしょうか?