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【きんざい】FP2級実技試験解答・解説(2020年1月試験・個人資産相談業務・不動産)
資格取得講座・セミナー講師・その他

本ページは、2020年1月に一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)が実施したファイナンシャル・プランニング技能検定2級実技試験(個人資産相談業務)の不動産について、問題・解答・解説を紹介するものになります。

佐藤 元宣
佐藤 元宣
独立系FPの佐藤元宣(さとうもとのぶ)です。
きんざいのFP2級実技試験の内、不動産分野についての解説をしていきます。

解答にあたっての注意事項

1.試験問題については、特に指示のない限り、2019年10月1日現在施行の法令等に基づいて解答してください。なお、東日本大震災の被災者等に対する各種特例については考慮しないものとします。

2.問題は、第1問から第5問までありますが、本ページは、第4問の問10から問12のみの問題・解答・解説となります。

3.各問の問題番号は、通し番号になっており、「問1」から「問15」までとなっておりますが、本ページは、不動産の分野として、問10から問12までの問題・解答・解説となります。

4.解答にあたっては、各設例および各問に記載された条件・指示に従うものとし、それ以外については考慮しないものとします。

5.本解説は、おもに独学者を対象に、当事務所が推奨しているキーワード学習によるシンプルなものとしております。必ず、テキストで再度復習されることをおすすめします。

6.  画像は、クリックまたはタップをすることで拡大して見ることが可能ですが、金財WEBサイトより印刷した試験問題を見ながら読み進めてみる方が、学習効率のアップが見込まれるものと思われます。

第4問

出典 一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定2級実技試験(個人資産相談業務)

平成31年3月許諾番号1903K000001

【第4問】問10

出典 一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定2級実技試験(個人資産相談業務)

平成31年3月許諾番号1903K000001

問10の解答および解説

①「500㎡」、②「1,875㎡」が、正しい解答です。

①は、建蔽率の上限となる建築面積を計算する問題です。

まず、問題文より、「甲土地上に耐火建築物を建築する場合」とあり、設例より防火規制は「準防火地域」です。

これら2つの条件より、建蔽率が「10%」緩和されます。

加えて、設例より、甲土地は、特定行政庁が指定する角地であることから、さらに建蔽率が「10%」緩和されます。

したがって、指定建蔽率60%に緩和される20%を加算した「80%」を乗じて、建築面積を計算します。

625㎡×80%=500㎡

佐藤 元宣
佐藤 元宣
建築基準法が法改正されたことによって、取り扱いが変わったものの、この試験では、法改正されてから月日が経過しています。

②は、容積率の上限となる延べ面積を計算する問題です。

容積率の上限となる延べ面積を計算する問題では、「指定容積率」と設例にある「前面道路幅員による容積率の制限」のいずれか小さい方を使って延べ面積を計算しなければなりません。

前面道路幅員による容積率の制限:(8m×4/10)×100=320%

上記の計算結果を踏まえますと、指定容積率300%の方が、前面道路幅員による容積率の制限である320%よりも小さいため、300%を土地の面積に乗じて延べ面積を計算します。

625㎡×300%=1,875㎡

佐藤 元宣
佐藤 元宣
建蔽率と容積率を用いた計算は、毎回出題される頻出問題ですので、しっかりと加点できるように試験対策することが重要!

【第4問】問11

出典 一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定2級実技試験(個人資産相談業務)

平成31年3月許諾番号1903K000001

問11の解答および解説

①「×」、②「〇」、③「〇」が、正しい解答です。

①は、誤りです。

貸家建付地の評価額は、以下の計算式によって求めます。

貸家建付地の価額 = 自用地としての価額 - 自用地としての価額 × 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合

出典 国税庁 No.4614 貸家建付地の評価より引用

上記の計算式に、問題文の各種数値をあてはめて計算すると以下のようになります。

1億円-1億円×60%×30%×100%=8,200万円

問題文にある1,800万円は、自用地価額に借地権割合、借家権割合、賃貸割合を乗じて計算した時の計算結果であり、自用地価額を差し引く前の金額となるため、誤りです。

佐藤 元宣
佐藤 元宣
貸家建付地の評価額を計算する式も試験対策上、覚えておくことが大切です。

②は、設問の通りです。

サブリース契約は、いわゆる「一括借り上げ」とも呼ばれ、大手不動産会社がテレビCMなどで盛んに「一括借り上げ」や「家賃保証」を謳っているのを目にしたことがある人も多いと思います。

サブリース契約は、トラブルが発生することも多く、問題文にある賃料の保証は、名目であり、経済事情やその他の事情によって、賃料(不動産収入)を減額請求されることがあります。

佐藤 元宣
佐藤 元宣
不動産投資に興味のある人や不動産投資を勧める場合は、特に注意が必要な項目の1つと言えます。

③は、設問の通りです。

相続税を計算するときは、被相続人が残した借入金などの債務を遺産総額(相続時精算課税の適用を受ける贈与財産がある場合には、その価額を加算します。)から差し引くことができます。

出典 国税庁 No.4126 相続財産から控除できる債務より引用

佐藤 元宣
佐藤 元宣
相続税を計算する上で、相続財産から控除できるものとして「債務」や「葬式費用」があり、賃貸マンションの借入金は、債務控除の対象です。

【第4問】問12

出典 一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定2級実技試験(個人資産相談業務)

平成31年3月許諾番号1903K000001

問12の解答および解説

①「ホ」、②「ト」、③「ニ」が、正しい解答です。

問12は、地積規模の大きな宅地の評価に関する問題でした。

まず、地積規模の大きな宅地とは、どのようなものなのかについて、以下、国税庁のWEBサイトより引用します。

地積規模の大きな宅地とは、三大都市圏においては500平方メートル以上の地積の宅地三大都市圏以外の地域においては1,000平方メートル以上の地積の宅地をいいます。

出典 国税庁 No.4609 地積規模の大きな宅地の評価 1 地積規模の大きな宅地とはより引用

上記の解説より、①は「ホ」の500㎡があてはまります。

次に、「地積規模の大きな宅地の評価」の対象となる宅地についても、以下、国税庁のWEBサイトより引用します。

「地積規模の大きな宅地の評価」の対象となる宅地は、路線価地域に所在するものについては、地積規模の大きな宅地のうち、普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区に所在するものとなります。また、倍率地域に所在するものについては、地積規模の大きな宅地に該当する宅地であれば対象となります。

出典 国税庁 No.4609 地積規模の大きな宅地の評価 2「地積規模の大きな宅地の評価」の対象となる宅地より引用

上記の解説より、②は「ト」の普通住宅地区があてはまります。

最後に、地積規模の大きな宅地から除外される宅地について、以下、国税庁のWEBサイトより引用します。

次の(1)から(4)のいずれかに該当する宅地は、地積規模の大きな宅地から除かれます。

(1) 市街化調整区域(都市計画法第34条第10号又は第11号の規定に基づき宅地分譲に係る同法第4条第12項に規定する開発行為を行うことができる区域を除きます。)に所在する宅地

(2) 都市計画法の用途地域が工業専用地域に指定されている地域に所在する宅地

(3) 指定容積率が400%(東京都の特別区においては300%)以上の地域に所在する宅地

(4) 財産評価基本通達22-2に定める大規模工場用地

三大都市圏とは、次の地域をいいます。

(1) 首都圏整備法第2条第3項に規定する既成市街地又は同条第4項に規定する近郊整備地帯

(2) 近畿圏整備法第2条第3項に規定する既成都市区域又は同条第4項に規定する近郊整備区域

(3) 中部圏開発整備法第2条第3項に規定する都市整備区域

出典 国税庁 No.4609 地積規模の大きな宅地の評価 1 地積規模の大きな宅地とはより引用

上記の解説より、③は「ニ」の400があてはまります。

佐藤 元宣
佐藤 元宣
次回の試験対策として、一通り数字やキーワードとなる言葉のポイントを押さえておくことが大切です。

試験内容全体を見ての当事務所の勝手な見解

今回の試験でも、毎回出題される建蔽率や容積率を利用した各種面積の計算をはじめ、不動産評価にかかる問題が多く出題されました。

これらの問題は、合格をつかみ取るための試験対策として、絶対に欠かしてはならない論点であることを改めて感じます。

ただ、全体的に見てみますと、地積規模の大きな宅地の評価でペンが止まってしまった人も多いと思われる一方、過去問題を繰り返し解いていた人であれば、問10と問11でしっかりと加点することができた試験内容だったのではないかと筆者は感じています。

佐藤 元宣
佐藤 元宣
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