このページは、FX(外国為替証拠金取引)で働きながら副収入を継続して得るために知っておきたいこと(佐藤元宣FP事務所のオリジナル電子書籍)9ページ目です。
本ページは2020年7月8日に初めて公開し、2022年9月11日、2024年5月26日に大幅な加筆・修正しております。
8ページ目では、私が実際に行っているボリンジャーバンドを使った投資戦略について紹介しました。
このとき、私は「ナンピン」と呼ばれる手法を必ず使っていることをお伝えし、ナンピンは「攻め」と「守り」の両方を兼ねる効果があることも伝えています。
そこで本ページ(9ページ)では、この「ナンピン」とはどのような手法でどのような特徴があるのか紹介していきます。
目次
FXにおけるナンピンとは
FXにおけるナンピンについて、OANDA証券のWEBサイトでは、以下のように解説しています。
ナンピン(難平)とは、保有している通貨の価格が買ったときより下がった場合に、買い増しして平均取得単価(平均コスト)を下げる取引方法です。
平均取得単価を下げることで、相場が予想通りの動きに戻った際に、利益を大きくすることができます。
出典:OANDA証券 ナンピン(難平)とは|言葉の意味・取引タイミングや注意点を解説より引用
上記の解説を基に、投資からナンピン、決済までの一連の流れを次項の解説で知るとイメージがわきやすいでしょう。
【ナンピンのイメージ】投資からナンピン、決済までの流れと効果
出典:OANDA証券 ナンピン(難平)とは|言葉の意味・取引タイミングや注意点を解説より引用
上記画像を基に投資からナンピン、決済までの一連の流れを説明します。
はじめに、今後為替レートが上昇すると予測し、為替レート105円で5lot(5,000通貨)買い注文を行ったとします。

しかし、予測が外れてしまい、さらに思いがけない為替変動によって、為替レートが95円まで下落してしまいました。
この時点での含み損は、(95円-105円)×5,000=-50,000円です。
想定外の含み損を目の当たりにしますと、損失を確定させる損切り注文をするにもできないといった人も多いはずです。
このとき、まずはいったん冷静になることがとても大切です。
そして、為替レートが大幅な変動によって、一時的に大きく上昇または下降したとき、その後どのようになるのか?
レートが一時的に戻るときも大きく下降または上昇しやすいという特徴があります。
上記の特徴を活かし、為替レート95円で5lot(5,000通貨)を追加で買い注文しました。

なお、ナンピンによって平均取得単価=平均買いレートはいくらになったのか?計算方法は以下の通り。
・1回目:105円×5lot=525
・2回目:95円×5lot=475
・平均取得単価(平均買いレート):(525+475)÷10lot=100円
ナンピンによって、本来ならば為替レートが105円を超えなければプラスにならないものが、100円を超えることでプラスになります。
つまり、一時的に抱えた50,000円の含み損は、ナンピンをすることで、早く解消できる期待が持てます。
さらに、例の場合ですと、為替レートが100円を超えて決済した場合、50,000円の含み損は含み益に転じます。
このように、ナンピンには、攻めと守りを同時に行える期待が得られるため、私は予測に反した場合、ナンピンを必ず行っているのです。

【含み損が大きく増加するリスク】ナンピンをする際の重要な注意点
ナンピンは、攻めと守りを同時に行える期待が得られる投資手法でした。
しかし、上記画像のように、ナンピンを行った後、さらに予測に反して為替レートが値動きした場合、含み損が大きく増加します。
ちなみに、2回目のナンピンを行った後、為替レートが90円まで推移したときの含み損は以下の通り。
・1回目:105円×5lot=525
・2回目:95円×5lot=475
・平均取得単価(平均買いレート):(525+475)÷10lot=100円
・現在レート:90円
・含み損:(90円-100円)×10,000通貨(10lot)=-100,000円
ナンピンをする前は、含み損が-50,000円でした。
ナンピンがうまく成功しますと、含み損が無くなり、含み益に転じます。
しかし、ナンピンが失敗すると、さらに含み損が増加します。
例の場合、当初の含み損が倍に膨れ上がって10万円のマイナスです。
ある意味「諸刃の剣」とも言えるナンピンだからこそ、根拠のあるナンピンを行い、自分のナンピンルールを決めておくことが極めて重要です。
根拠のあるナンピンと私のナンピンルール(投資戦略)は次回(10ページ)にて
本ページ(9ページ)では、この「ナンピン」とはどのような手法でどのような特徴があるのか紹介しました。
ナンピンは、買い注文であっても売り注文であっても、予測に反したときに追加注文をすることによって、「攻めの投資」と「守りの投資」の両方を兼ねる効果が得られます。
しかし、適当にナンピンをしたり、単に熱くなって根拠のないナンピンを繰り返しますと、抱えている含み損がさらに大きく増加する最悪な結果につながります。
そのため、「諸刃の剣」とも言えるナンピンだからこそ、より自分に有利な効果をもたらすような使い方を徹底しなければなりません。
そこで次回(10ページ)では、根拠のあるナンピンと私のナンピンルール(投資戦略)を紹介していきます。