今回のブログは、かなりストレートにきつめの内容を伝えるものになると思いますが、ユーザーの皆さまには、「絶対このようになってはいけないですよ」といった反面教師的なものを伝えていきます。
賛否両論いろいろな考え方やブログに綴ること自体に問題があると思われる方もおられるかもしれませんが、あくまでもお金の専門家であるFPの立場として、ユーザーの皆さまの「再確認の場」と位置付けていただけましたら幸いです。
目次
相談事例 老後を見据え、自己破産か家売却で返済を検討すべきか
現在、個人再生の手続きをしていただき、月に60000円弱、2020年まで借金返済をしております。(残債230万ほど)
ですが、住宅ローンの支払い(15万弱)、生命保険(夫婦で3万)、更に糖尿病のため月に医療費が5万前後かかっています。
つまり出費で、固定出費28万前後、光熱費通信費3.5万、その他食費雑費4万で38万ほどかかっています。
収入は夫婦で28万円です。(タクシー運転手+医療事務パート)
今までは周辺の手助けを借りつつ、貯蓄も合わせてなんとかつづけていました。
妻は体が弱く、フルタイムで働けず、2人とも55歳のため、今後を考えると、なんとか完済し、今の家に住みたいと考えています。
しかし貯蓄もとうとうゼロとなり、どうにもならないため、今の家をどうにかして、対応を検討せざるを得ないと思っています。
1.自己破産し、家を差押えしていただき、やり直させていただく。
2.家を売り、家賃の安いところへ転居し、出費を減らしてなんとか返済する。(ローン残債2300万ほど、家の売却相場2500〜3000万年前後)
3.その他何かございましたら、お力添え願います
今後の人生を考え、どれがどういった影響が出るのかわからず、悩んでおります。60歳(あと5年)で以前の会社の退職金が入ることとなっていることもあり、非常に悩んでおります。
ここに相談が正しいのか分からないのですが、よろしくお願いします。
ファイナンシャルプランナーjp 老後を見据え、自己破産か家売却で返済を検討すべきか より引用
目の前のことしか考えない人の典型 ~だめな部分が多すぎる~
家計の収入と支出を見てもおわかりの通り、収入よりも支出が上回っているため、毎月赤字続きであり、言うまでもなく貯金が底をつくのは明らかです。
実際の相談内容におかれましても、「貯蓄もとうとうゼロになり」といったことも書かれており、まずダメな点は、そもそも生活の基本となる「家計の見直し」を最優先で行わなかったところにあります。
住宅を手元に残したまま借金の整理をする「個人再生」は、いわゆる債務整理における1つの方法にあたりますが、実際に手続きを取る弁護士や認定司法書士は、詳細な家計まで見れない、もしくは、見ない場合が多いため、当事務所ではずっと以前から、このことについて警鐘を鳴らしてきました。
つまり、「家計を再生するまでの順番が間違っている」ため、今回の相談事例は、すでに個人再生を行って、かつ、家計が立て直せていない典型的なダメパターンにあたります。
お金が貯められない人の典型なのですが、このように目先の部分にしか目がいかず、先のことをまったく考えれていない人が、いくらせこせこ努力を積み重ねたとしても結果としてお金が貯まらず流れていってしまうわけです。
相談文面から、5年後の退職金をあてにしているのがみえみえですが、退職金や勤務年数や職業などによって「相場」があり、相談者様(タクシーの運転手)が貰える退職金は、大変失礼ではありますが、多い金額を期待することができず、すぐに無くなってしまうことが予測できます。
これが無くなったらはたしてどうするのでしょうか?また相談するのでしょうか?
そもそもの根幹を直さない限り、うまくいくことはないのです。
老後の問題および医療費・相続の問題も山積み
相談者様は、糖尿病を患っているということは、現在だけに限らず、将来に渡って医療費がかさむことが予測されるため、貯蓄もない、生命保険も保障がしっかりとしていない、収入が少ない、年金が少ない、などなど負のスパイラルは、今の問題を解決できたとしても引き続き継続すると当事務所では予測します。
また、相談者様に子どもがおられるのかについては記載されておりませんが、これは相続におかれましても、非常に大きな問題となることも推測されます。
子どもがこのことを知らなかったら・・・、知る術を知らなかったら・・・、意を決して子どもに今の状態を親が伝えていなかったら・・・、負のスパイラルは、子どもや孫世代に飛び火する最悪な結末も予測できそうです。
おわりに ~人の振り見て我が振り直せを感じます~
きつめの内容でしたが、ユーザーの皆さまも反面教師として、いろいろと考えさせられた部分が多かったのではないでしょうか?
特に、私も含めた子育て世帯の皆さまやこれから結婚、子育てをしていく若年者の皆さまには、今置かれている目先の部分も見ることも大切ですが、将来を見据えた考え方をしっかりと身に付けていかなくてはなりません。
このような考え方ができなかった人の行く末は、今回の相談事例のような末路だと思います。
実のところ、中高齢でこのような状況におかれている方は、大勢いるのですが、時代がどうのこうのではなく、あくまでも自分達の考え方、やり方次第であることに変わりはありません。
つまり、私たち子育て世帯や若年者の皆さんも先を考え、何かしらの対策や準備のほか、リスクヘッジ対策をしておかなければ、同じ末路を行くことになるということです。
最後は、自己責任・自助努力ですから、夫婦で力を合わせるやら、各々が自らお金のことについて学ぶなど、できそうなことから模索してみていただきたいと思っています。