本ページでは、令和4年に行なわれた日本の為替介入より、FXで意図しない損失(ロスカット)を避けるために必要なトレードの考え方を綴っていきます。
はじめに、令和4年(2022年)は、異常といえる円安が継続しています。
これに伴い、日本政府はこの年だけで少なくとも2回の為替介入(正式な報道はないもののおそらく3回の為替介入)を行いました。
日本の為替介入によって、為替相場が大きく乱高下し、これによって意図しない損失(ロスカット)を被った人も多いと思います。
そこで本ページでは、為替介入を通じ、FXで意図しない損失(ロスカット)を避けるために必要なトレードの考え方を綴っていきます。
目次
FXで意図しない損失(ロスカット)を避けるために必要なトレードの考え方
日本の為替介入をはじめ、為替相場において、いつどのくらいの為替レートが変動するのか?個人投資家が知ることは残念ながらできません。
そのため、普段では起こりえないような為替変動によって意図しない損失(ロスカット)を避けるためには、余裕を持ったトレードを行う必要があります。
具体的には「逆指値を広くする」ことが最もわかりやすいでしょう。
特に、デイトレードやスイングトレードなど、時間をかけて行うトレード方法は、急激な為替変動が起こったとしても、それに耐えられるようなトレードを行わなければなりません。
そうしなければ、自分が意図しない損切りによって、大きな損失を被る原因になるからです。
投資する通貨ペアによる違いはあるものの、3円(300pips)や4円(400pips)の変動があったとしても余裕を持って行えるトレードをすることが大切だと私は感じています。
少ない通貨量でも「積立」することで大きな利益を得られる
大きな為替変動に耐えられるようなトレードをすると、少ない投資しかできないし、利益も少ないと思われる人もいるでしょう。
しかしながら、たとえ少ない通貨量であったとしても、ポジションを「積立」することで時間をかけて大きな利益を得られるはずです。
たとえば、1000通貨を投じた場合、1円(100pips)の利益を得たとしても1,000円程度のお金にしかなりません。
しかし、時間をかけて1,000通貨の投資を分散させ、結果として10,000通貨を投じた場合はどうでしょうか?
意図しない損失(ロスカット)のリスクを低く抑えながら、10,000円程度の利益を無理なく狙えるのではないでしょうか?
少ない通貨量でも「積立」することによって攻めながら守れるトレードが実現できる
1000通貨のように少ない投資であったとしても、賢く積み上げることで、少ないリスクで思い描いたトレードをすることができます。
具体的には「ボリンジャーバンドの活用」と「マルチタイムフレーム分析」が効果的だと私は思います。
まず、ボリンジャーバンドを使うことによって、為替レートが極端に上がりすぎているのか?下がりすぎているのか?が一目でわかります。
そして、マルチタイムフレーム分析で長期足を見たとき、為替レートが上がりすぎているのか?下がりすぎているのか?を確認します。
いずれか、極端に為替レートが値動きしている場合、逆張りと少額投資を積立することで、無理なく利益を上げやすくなります。
これによって、攻めのトレードと守りのトレードも同時に行うことが可能です。
なお、ボリンジャーバンドやマルチタイムフレーム分析について、もう少し詳しく知りたい人や興味がある人は、以下の関連記事を合わせて読み進めてみるのも良いでしょう。
マルチタイムフレーム分析は、以下の関連記事でご確認ください。
いずれの関連記事も、為替相場の乱高下に限らず、普段のFXトレードでもあたりまえに活用し使えるものとなっています。
また、大きく為替相場が動いたときの一時的な戻りを考慮しますと、その値幅も大きくなるため、少ないリスクで利益を得られやすい方法ともいえるでしょう。
最初から大きな投資をしないことも大切
FXにおいて、預託証拠金に対して最初から大きな投資をすることは、余裕がないトレードをしているとみることもできます。
そのため、為替介入など、予期せぬ何かしらの影響によって相場が逆に動いた場合、設定した逆指値を大きく超えて損切りになってしまうことがあります。
これは、言うまでもなく意図しない損失(ロスカット)を被ったことを意味します。
また、このようなトレードをした場合、逆指値の設定は狭いレートになってしまうことが一般的です。
普段からスキャルピングをされている場合、割り切れる部分もあると思われますが、デイトレードやスイングトレードの場合、最初から大きな投資をしないように心がけることが大切です。
損切りできない場合は「ナンピン」を
逆指値を広くとったことによって、大きな損失を嫌う人も多いと思います。
また、含み損がどんどん膨らみ過ぎて損切りが逆にできないという人もおられるでしょう。
このようなときは「ナンピン」を使うのも効果的です。
たとえば、為替レート100円の状態で10,000通貨を「買い」で投じたとします。
その後、レートが逆に進み為替レートが98円だったとしましょう。
このとき、含み損は▲20,000円です。
この含み損を0円にするには、為替レートが100円まで回復しなければなりません。
しかし、レートが98円のとき、10,000通貨で「買い」を再度投じたとします。
これにより「平均買いレートは99円」になります。
つまり、本来ならば2円上昇しなければ損益が0円にならないものが1円で済むことになります。
このナンピンを賢く活用することで、損失を少なくさせ、利益を上乗せできる場合があります。
このようなことから、損切りがどうしてもできず、逆指値を広くとるのに抵抗がある場合、ナンピンを使うことも視野に入れておきたいものです。
【おわりに】日本の為替介入からFXトレードで改めて感じていること
令和4年は、日本の為替介入によって、為替相場が大きく乱高下する状況が続いています。
予期せぬ著しい円安、予期せぬ為替介入によって相場が乱れ、いつものトレードがやりにくいといった人も少なくないでしょう。
しかしながら、小さな投資から行い、コツコツ積立しながらポジションを追加することによって、少なくとも大きな損失を避けられます。
また、時間をかけてある程度まとまった利益を得ることも可能です。
このようなことから、意図しない損失を被った人は、改めてこれからのトレードのしかたを見直してみることをおすすめします。