このページは、FX(外国為替証拠金取引)で働きながら副収入を継続して得るために知っておきたいこと(佐藤元宣FP事務所のオリジナル電子書籍)3ページ目です。
2ページ目では、FXの基本知識として、チャートから読み取れることや時間足、売りレート、買いレートなどについて紹介しました。
本ページ(3ページ)では、2ページ目で伝えきれていない基本知識の紹介を引き続き行っていきます。
目次
【投資をする通貨量で決まるコスト】スプレッドは、実際にどのくらいかかるのか
出典:セントラル短資FX BID/ASKとは?より引用
前ページ(2ページ目)では、上記画像にある2つのレートの真ん中に表示されている「0.2」は、スプレッドと呼ばれ、お金を投じるときにかかるコストであることを紹介しています。
このとき、実際にどのくらいのコストがかかるのか?気になる人も多いはずです。
まず、結論から申し上げて、スプレッドで実際にかかる金額というのは、投資をする通貨量で決まります。
ここで言う「投資をする通貨量」とは、自分が選んだ通貨ペアへ投資をする際の取引単位です。
なお、投資をする通貨量(取引単位)は「1000通貨」「2000通貨」「5000通貨」「10000通貨」のように、基本的に自分の裁量で自由に決めることができます。
ちなみに、実際のFXトレードにおいて、前述した通貨量は、1000通貨・2000通貨のように表記されず「lot(ロット)」と呼ばれる単位で表記されます。
FX取引の投資単位「lot(ロット)」とは
説明が重複しますが、実際のFXトレードにおいて、投資をする通貨量は、1000通貨・2000通貨のように表記されず「lot(ロット)」と呼ばれる単位で表記されます。
たとえば、1000通貨を投資したい場合は「1lot」を選択して注文、2000通貨を投資したい場合は「2lot」を選択して注文するといったイメージです。
一例として、上記画像を見ますと「lot数6」と表記されていることがわかります。
これは、実際に私がお金を投じたもので、ここからわかることを以下、簡単にまとめます。
・令和6年5月16日の午前8時に「豪ドル/米ドル」の通貨ペアに「売り注文」の新規投資を行った
・投資量は「6000通貨=6lot」を投資
・約定レートは、0.66964
・「豪ドル/米ドル」の為替レートが今後、0.66964よりも下回ると含み益(利益)が生じ、上回ると含み損(損失)を被る
画像と照らし合わせて説明を読み進めると、わかりやすくなったのではないでしょうか?
ちなみに、lotには、重要な注意点があるため、こちらについて次項で合わせて紹介していきます。
【重要な注意点】FXの投資単位「lot(ロット)」は、FX会社や通貨ペアによって異なる
見出しの通り、FXの投資単位「lot(ロット)」は、FX会社や通貨ペアによって異なる点に注意が必要です。
まず、FX会社についてですが、それぞれのFX会社によって「最低投資通貨量」や「lot表記」が異なるといった特徴があります。
具体的にどのようなことなのか、以下、簡単な一例(表)で違いを紹介します。(令和6年5月16日現在の取り扱いで作成)
FX会社 | 最低投資通貨量 | lot表記 |
ヒロセ通商 | 1000通貨 | 1lot |
トレイダーズ証券(みんなのFX) | 1000通貨 | 0.1lot |
DMMFX | 10,000通貨 | 1lot |
上記3つのFX会社を比較しますと、DMMFXの場合、最低投資通貨量は「10,000通貨」と多いことが確認できます。
また、ヒロセ通商とトレイダーズ証券(みんなのFX)は、いずれも最低投資通貨量は同じですが、lot表記が異なっています。
このように、FX会社によって「最低投資通貨量」や「lot表記」が異なる点に注意が必要です。
次の注意点は、FX会社によって、投資をする通貨ペアの最低投資通貨量が異なる部分です。
具体的にどのようなことなのか、以下、画像で簡単に違いを紹介します。
上記画像の緑枠を見ますと、最低投資通貨量(1lot)あたりの通貨量が、通貨ペアによって異なっていることがわかります。
たとえば、MXN/JPY(メキシコペソ/円)の場合、1lotあたり1,000通貨ではなく10,000通貨の取り扱いになっています。
HUF/JPY(ハンガリーフォリント/円)に至っては、1lotあたり100,000通貨の取り扱いです。
このように、あらかじめ取引条件を確認せずにFX取引をすることは、想定外の大きな損失を抱える恐れがあるため細心の注意を払うことが大切です。
【やっと本題】スプレッドを実際の金額に置き換えてポイントを解説
ここからやっと、スプレッドは、実際にどのくらいの金額になるのか、具体的な金額で紹介していきます。
前置きとして、上記画像にあるさまざまな通貨ペアより、ここでは緑枠の「USD/JPY(ドル/円)」にお金を投じるものとして解説を進めます。
はじめに、売りレート(BID)と買いレート(ASK)の間にある「SP」がスプレッドです。
これより「USD/JPY(ドル/円)」のスプレッドは、0.2であることがわかります。
仮に、投資する通貨量(取引単位)を「1000通貨」でお金を投じた場合、スプレッドは「2円」です。
上記の考え方を基にしますと、2000通貨だとスプレッドは「4円」、10000通貨だとスプレッドは「20円」のように簡単にコストが導けます。
実際に「買い注文」や「売り注文」をした後のレートにはスプレッドが加味される
前項では、スプレッドの具体的な金額はいくらになるのか?大まかな仕組みを簡単に紹介しました。
ここまでを踏まえたとき、そもそも、コストにあたるスプレッドは、いつ負担することになるのか?疑問が生じる人もいるはずです。
ここでは、一例として上記画像の「USD/JPY(ドル/円)」に買い注文で「1000通貨」を投じたものとして解説を進めます。
まず、「USD/JPY(ドル/円)」の買いレート(ASK)は、156.361となっています。
そのため、買い注文を行った場合、156.361でレートが約定すると思うかもしれません。
しかし、これは誤りです。
なぜならば、実際に「買い注文」や「売り注文」をした後のレートにはスプレッドが加味されるからです。
つまり、買いレート(ASK)156.361からスプレッド0.2を負担した156.359が、実際の買いレートとなるわけです。
上記画像の赤枠が、スプレッドが加味された実際の買いレート、青枠がスプレッドが加味された実際の売りレートとなります。
なお「USD/JPY(ドル/円)」に買い注文で「1000通貨」を投じ、レート156.359で約定したとき、評価損益は-2円のスタートになります。
これは、スプレッド0.2がコストとして加味され、このコスト分が差し引かれてFX投資スタートとなる仕組みだからです。
3ページ目のまとめと次回予告
本ページ(3ページ)では、FXの基本知識として、コストにあたる「スプレッド」と投資単位にあたる「lot」について紹介しました。
投資をする通貨ペアによって、スプレッドや最低投資通貨量は異なるものの、それぞれの通貨ペアの特徴を知るとコストパフォーマンスの感じ方も変わってくることでしょう。
そこで、次ページ(4ページ目)では、私個人の主観となりますが、投資がしやすい通貨ペアの特徴を簡単に紹介していきたいと思います。